19年大河は初のクドカン脚本 33年ぶり近現代史「大目に見て」

[ 2016年11月17日 05:30 ]

2019年のNHK大河ドラマで脚本を担当する宮藤官九郎

 NHKは16日、東京・渋谷の同局での放送総局長会見で、2019年の大河ドラマの企画を発表した。

 同局の連続テレビ小説「あまちゃん」(13年)をヒットさせた宮藤官九郎(46)が初めて大河の脚本を担当。20年の東京五輪を控え、「日本と五輪」をテーマとするオリジナル作品で、日本が五輪に初参加したストックホルム大会の1912年から前回東京大会の64年までの52年間を描く。

 物語の主人公は未定。同局の担当者は「実在の人物か架空の人物かを含め何人か候補を考えている。主人公がリレーする可能性もある。スポーツ選手やその周辺の人々など、五輪に関わったさまざまな人たちが登場するドラマになる」と説明した。

 大河で近現代史が描かれるのは1986年の「いのち」(三田佳子主演)以来33年ぶりとなる。橋田壽賀子氏(91)原作の「いのち」は主人公が女医で終戦直後から86年まで描かれたが、今回のように主人公が未定のまま企画がスタートするのは異例。木田幸紀放送総局長は「宮藤さんらしい壮大で楽しく新しい大河になることを期待している」と話した。

 宮藤が脚本を手がけた「あまちゃん」(能年玲奈=現・のん主演)は主人公のセリフ「じぇじぇじぇ」が流行語になるなど社会現象化。大河のヒットを目指す同局が宮藤に脚本の執筆を要請したところ「歴史を動かした人物にあまり思い入れがない」と難色を示されたが「現代劇や架空の人物を描いた大河もある。できる題材を探しましょう」と説得した。

 宮藤は「こんな大河も、たまにはいいよね、と大目に見ていただけたら幸い」とコメント。内容について「戦争と政治と景気に振り回された人々の群像劇。歴史に“動かされた”人と町の変遷を1年かけてじっくり描く予定」としている。制作統括の訓覇圭チーフ・プロデューサー、演出の井上剛チーフ・ディレクターとは「あまちゃん」以来の仕事となる。

 五輪イヤーを前にクドカン版“新・大河”が誕生する。

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2016年11月17日のニュース