異色のミニ番組「全力坂」が放送2000回 美女が2分走るだけ

[ 2016年11月7日 10:00 ]

「全力坂」2000回の走者を務める双子姉妹の寺西リナ(左)、エミリ(C)テレビ朝日

 テレビ朝日のミニ番組「全力坂」(月~木曜深夜1・20)が9日に放送2000回を迎える。女優やモデル、グラビアアイドルが「ただ坂を走るだけ」という異色の番組がなぜ2000回を迎えるに至ったのか。

 タイトルコールもなく「ヨーイ、ドン」の合図とともに若い女性が坂を駆け上がり始める。そこにかぶせられるのは「~にある○○坂。この坂もまた、実に走りたくなる坂である」という吹越満(51)の何とも力の抜けたナレーション。間にインフォマーシャルを挟み、走者の女性が坂の頂上でハアハア息を切らせて終わる。この間、わずか2分。深夜にテレビをつけていたら、何となく目にしたという人も少なくないのではないだろうか。

 番組制作会社ゼニスでプロデューサーを務める佐藤太一氏によると、番組開始当初はオファーを出しても、なかなか出演者が集まらなかったという。だが、2005年4月にスタートしてから放送12年目を迎え、今ではオーディションを開き、走者を厳選するまでになった。

 書類審査、実技審査を経て、オンエアに至るまでの倍率は10倍以上。選考基準について佐藤氏はこう説明する。「五輪に出られるような人は流して走っても速いじゃないですか。でも必死な感じがしない。曖昧な言葉ですけど、“全力感”が大事。絶対的に遅いと成立しづらいのですが、それでも画的に面白ければありだなと思いますね」

 深夜番組ということもあり、日頃の視聴率は2%前後だが、過去最高の数字は11年2月10日の6・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。「どうしても『見ちゃった』系の番組なので、前の番組(の視聴率)に引っ張られますね。有名な方が走ることもあるのですが、リリースを出すわけでもなく唐突に走るので、(出演者で)数字が変わるということもないですね」(佐藤氏)

 9日に放送される第2000回は深夜1時24分から放送。寺西エミリ、リナ(ともに18)の双子姉妹が千日坂に挑戦し「千日×双子」で2000回を祝う。双子が走るのは番組史上初めてとなる。

 「2010回目くらいで『あ、2000回超えているじゃん』ってくらいで(見てもらえれば)」と佐藤氏は2000回の節目を特別視しない。2001回も、2002回も、またいつも通り美女が全力で坂を走り続ける。

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