豪栄道初優勝に後輩芸人マービンJr.歓喜「僕は幸せ者」

[ 2016年9月25日 05:30 ]

埼玉栄の先輩豪栄道の初優勝に歓喜のコメントを寄せたマービンJr.

 大相撲秋場所で大関豪栄道が涙の初優勝を決めた24日、大関とゆかりのある人から祝福の声が相次いだ。埼玉栄高校相撲部の1学年後輩で現在も毎日のように顔を合わせるお笑い芸人マービンJr.(29)は「偉大な先輩がいてくれて僕は幸せ者です」と万感の面持ち。境川部屋の二番弟子だった男性は「部屋の悲願がかなった」と喜び、地元大阪府寝屋川市でもパブリックビューイング(PV)が行われるなど歓喜に包まれた。

 マービンは都内の自宅でテレビ観戦し「立ち合いで当たってすぐ得意の右四つになり、前に攻めて相手を圧倒する相撲。本当に凄い」と大興奮。自身のツイッターでも「肉体的にも精神的にも絶対キツイのに、弱音ひとつ吐かず、とにかくストイックに相撲と向き合い続けた結果」と喜んだ。

 日米ハーフのマービンは恵まれた体格を生かして小学生の全国大会で、3年生の部優勝。1学年上の部を制したのが豪栄道だった。「当時から憧れの人だった」という豪栄道を「先輩」と慕い、埼玉栄時代を「ちょっとやんちゃで後輩からは少し怖がられていたけど、なぜか僕はすぐ気に入られて可愛がってもらいました」と振り返った。

 06年に角界入りし「大翔勇」のしこ名で幕下まで昇進したものの、心臓の病気で08年に引退。相撲の世界を離れてからも「先輩だけは毎日のようにご飯に誘ってくれた」と感謝。豪栄道の励ましの言葉が芸人人生を支えてくれているといい「豪栄道は2年に1度のペースで野良猫を拾う」と自身のネタにもしている。「今も週に5、6回は一緒にご飯を食べに行く」という親しい間柄で「偉大な先輩がいてくれて僕は幸せ者です」と誇らしげに語った。

 一方、境川部屋にとっても1998年の創設から幕内優勝は初めて。部屋の二番弟子で、元三段目闘勝花の福田雅文さん(37)は「もう、たまらない」と感無量の表情だ。

 最初は福田さんと兄弟子の2人だけの船出。親方一家の2DKのマンションに住み込み、プレハブ小屋の資材置き場を改装した土俵で稽古に励んだ。当時の親方の口癖は「早く相撲部屋らしい相撲部屋にしたい」だったという。

 豪栄道の入門前に福田さんは引退したが、部屋を手伝うことも多い現役力士の“兄貴分”。経営する埼玉県草加市の居酒屋「闘勝花」には豪栄道も何度も足を運んでおり「悲願をかなえてくれた。境川部屋のファンが喜んでくれると思う」としみじみと語った。

 ◆マービンJr. 1987年(昭62)4月10日、東京生まれの29歳。父は米国人、母が日本人。埼玉栄ではインターハイ団体戦で連覇に貢献。1学年上には妙義龍もいた。06年初場所で初土俵。まげを結うまでアフロヘアで肌も浅黒く、東京の下町・荒川区出身だったため「下町の曙」と呼ばれた。芸人に転じてからは四股を踏みながら相撲界の裏情報を暴露するネタなどがある。

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