時代劇に新風 「ふたがしら2」 視聴者も納得する挑戦的作品

[ 2016年9月16日 18:23 ]

ドラマ「ふたがしら2」完成披露で舞台挨拶を行った(左から)菜々緒成宮寛貴、松山ケンイチ、早乙女太一

 主演の松山ケンイチと早乙女太一の時代劇第2弾「ふたがしら2」(毎週土曜よる10時から、第1話は無料放送)が17日WOWOWでスタートする。地上波では難しい刺激的なドラマを制作してきた同局が、昨年はじめて連続ドラマ時代劇に挑戦した意欲作の続編だ。

 松山演じるまっすぐで熱いけど騙されやすい弁蔵と、早乙女の頭脳明晰でクールな宗次という対照的な2人の盗賊が繰り広げた前作では、自分たちの理想とする“脅さず殺さず、汚え金を根こそぎいただく”をモットーとした盗賊一味“壱師”を築くまでが描かれた。成宮寛貴や菜々緒などが再び登場するほか、大森南朋など新たな顔ぶれも加わる。

 「SR サイタマノラッパー」シリーズや「ジョーカー・ゲーム」(2015年)などで知られる気鋭の映画監督・入江悠氏がメガホンを取りスタイリッシュな映像に仕上げ、音楽は “安倍マリオ”が話題となったリオ五輪閉会式の「トーキョーショー」の演奏にも携わったジャズバンドのSOIL&“PIMP”SESSIONSが担当するなど、時代劇に新しい風を吹き込み、普段時代劇に触れる機会のない視聴者も楽しめる工夫が成功している。

 データニュース社(東京)が行っているWOWOW加入者を対象とした「WOWOWウォッチャー」(対象者1000人)によると、前作に寄せられた回答からは「テンポが良くて楽しかった」(33歳女性)、「新鮮な時代劇」(54歳女性)、「演出もスピード感があり見応えがある!!!」(70歳男性)など様々な層から高評価を得ており、全5話の平均満足度は4・19(5段階評価)と高満足度の基準3・7を大きく上回った。対象が異なるため単純な比較はできないが、この数値は昨年地上波で放送されたドラマ「下町ロケット」(TBS)の4・23に次ぐ2位の高位置を記録した。

 ドラマ視聴率が年々低下し、新しい作品作りにややこう着状態にある地上波だが、古くから親しまれてきたにも関わらず最近ではあまり作られなくなった時代劇に、改めてWOWOW注目した点は特筆すべきもの。時代劇への新たな試みは各方面で見られるが、これまでの勧善懲悪的なものと一線を画す作品に仕上がっているのは、なんとも頼もしい。

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2016年9月16日のニュース