「真田丸」主人公・真田信繁ついに幸村に!猛将の側面描き終盤へ加速

[ 2016年9月16日 10:00 ]

終盤・大坂の陣へ向けて作られた大河ドラマ「真田丸」の新メーンポスター。堺雅人演じる主人公・真田信繁は「幸村」を名乗ることに(C)NHK

 NHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)で、俳優の堺雅人(42)演じる主人公・真田信繁が世に広く知られる通称・幸村を名乗ることが16日、分かった。第40話「幸村」(10月9日放送)で、その経緯が明かされる。軍記物や講談で知られる英雄的武将・幸村の側面を描くことで、物語は終盤・大坂の陣へとヒートアップする。

 「真田丸」は本名・信繁を使い「真田十勇士」などで幸村として知られる以前の姿を丁寧に描いてきた。特に、豊臣秀吉(小日向文世)に仕えた大坂編で、信繁は“事務方”として活躍。新鮮に感じる視聴者も多かった。

 脚本の三谷幸喜氏(55)もガイドブック「NHK大河ドラマ・ストーリー 真田丸 前編」(NHK出版)で「自分としては、信繁という名前に、講談の幸村とは別の、真実の人生を描くんだという、決意表明を込めたつもりです」と話している。

 しかし、大坂の陣へ向かうドラマ終盤の入り口を迎え、いよいよ幸村の名前が登場する。

 制作統括の屋敷陽太郎チーフプロデューサーは「大坂の陣の時から幸村の名前を打ち出したいというのは、当初から考えていました。『待っていました』という感じの、軍記物や講談で知られる幸村像の一端も描いていきたいということです」と、その意図を明かす。

 「ただ、まずは軍記物や講談で知られる以前の姿も丹念に描きたかったので、史料に残る信繁という名前を使ってきました」と本名に重きを置いた一方で「軍記物や講談、伝説や逸話で知られる幸村も数百年間、庶民の中で語り継がれ、愛されてきた英雄の物語だと思いますので、その気持ちも大切にしたい」と幸村という名前への思いを語った。

 とはいえ「信繁という名前を捨てたわけじゃありません。通称として、大坂の陣に臨む時は幸村と名乗ったという設定です」。堺も幸村という名前について「芸名を付けたみたいな感じ」と笑いを誘い「通称・幸村ですが、気持ちは信繁のままなんだと思います」と話している。

 信繁が存命中に幸村と自称した史料はないといい、幸村の由来も定説はないという。三谷氏は一体どう描くのか。

 第35話「犬伏」(4日放送)は、真田家が生き残りをかけて袂(たもと)を分かつ「犬伏の別れ」を泣き笑いで描き、視聴者の感動を呼んだ。第36話「勝負」(11日放送)は、天下分け目の関ヶ原の戦いを佐助(藤井隆)の報告で描き、インターネット上で“超高速関ヶ原”などと話題になった。

 信繁はどのようにして幸村になるのか――。冴え渡る三谷氏の筆が注目される。

続きを表示

2016年9月16日のニュース