「真田丸」犬伏版公式サイトが話題!白黒メーキング写真で永遠性

[ 2016年9月3日 08:00 ]

写真家・鈴木心氏がとらえた大河ドラマ「真田丸」の「犬伏の別れ」の撮影風景(C)NHK

 NHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)は4日、最大のヤマ場の1つ、第35話「犬伏」。サブタイトル通り、真田家が生き残りをかけ、袂(たもと)を分かつことになる「犬伏の別れ」を描く。番組公式サイトも“犬伏特別バージョン”に変更。気鋭の写真家・鈴木心氏(35)が撮影した「犬伏の別れ」の白黒スチール写真をトップページでスライドし「あと○日」とカウントダウン。インターネット上で「切ない」などと大きな話題を呼んでいる。

 関ヶ原の戦い(慶長5年、1600年)目前。上杉攻めのため徳川軍に従っていた真田家に、ある便りが届く。石田三成(山本耕史)や大谷吉継(片岡愛之助)が打倒・徳川家康(内野聖陽)のために挙兵したという。豊臣方につくか、徳川方につくか。真田信繁(堺雅人)兄・信幸(大泉洋)父・昌幸(草刈正雄)は下野国(栃木県)・犬伏の地で激論を交わす。真田家が生き残るための選択とは――。

 「犬伏の別れ」は真田家の物語で最も有名で、最も心揺さぶるエピソード。この大きな節目を前に、視聴者にいつも違う雰囲気を味わってほしいと、歴史シミュレーションゲームの元祖「信長の野望」とタッグを組んだ3DCG地図や異例のPR動画「ダメ田十勇士」を仕掛けた清水拓哉プロデューサーが今度は、スチール写真を使うアイデアを思い付く。感銘を受けた大河ドラマ「平清盛」(2012年)のポスターを手掛けた鈴木氏にオファー。撮影風景のスチール写真とホームページと合体した。

 制作統括の屋敷陽太郎チーフプロデューサーは「すごいアイデア。予告動画のカラフルな世界とはまた異なり、モノクロの写真は堺さん、大泉さん、草刈さん3人の最後の芝居場、あの瞬間が永遠に続いていく感じがします」と絶賛する。

 3人を取り囲むスタッフもとらえた引きのショットも公開された。「鈴木さんには3人それぞれの表情も撮っていただくわけですが、メーキング写真というイメージで話をしていたんです。『犬伏の別れ』の収録自体が僕たちスタッフにとっても、非常に貴重な宝物のようで。僕たちスタッフにとっても永遠の宝物にしておきたいという意味合いがありました」

 堺や大泉の笑顔も印象的。「『犬伏の別れ』は後で見てみれば、真田家の人たちにとっても本当にすごい決断をしたわけですが、当の3人にとっては、その時に本当に永遠(とわ)の別れになるとは思っていないし、なおかつ、3人にとっては人生を振り返った時、一番楽しかった瞬間だったと思いたい…と(脚本の)三谷(幸喜)さんはおっしゃっていました。一番つらい決断でもあり、でも3人で最も楽しい瞬間を過ごした時間でもあった、と僕たちはとらえています。その象徴が笑顔です」

 屋敷氏は「スチールって動画よりも情報量が少ない代わりに、逆に、想像力をかき立てられる瞬間がありますよね。スチールは一瞬を切り取ったものですが、だからこそ、3人がたどってきた時間の流れが見る人に染みてくるんでしょうね」とスチール写真がもたらす効果に感心した。

 インターネット上には「公式サイトのトップページに毎日1枚ずつ画像が増えていて、制作陣の皆さまの愛情を感じてます」「公式サイトを見たら、犬伏特別カウントダウン版だった!なんて素晴らしい…なんて切ない家族の笑顔」「公式サイトを開いたら、兄弟が笑い合っている画が出てきて、何かもう既に泣きそう。つらい」などと絶賛の書き込みが相次いでいる。

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