高知被告20歳から覚醒剤 厳しい更生の道…再犯「正直不安です」

[ 2016年9月1日 05:30 ]

裁判を終え東京地方裁判所を出る高知東生被告

 覚せい剤取締法違反(所持、使用)罪などに問われた元俳優の高知東生(本名大崎丈二)被告(51)と愛人の元クラブホステス五十川敦子被告(34)の初公判が31日、東京地裁で開かれた。高知被告は「どうやったら女房にバレないかを真剣に考えていた」と、8月に離婚した女優高島礼子(52)に隠れて使っていたと説明するなど薬物依存の高さをうかがわせた。検察は双方に懲役2年を求刑。判決は15日に言い渡される。

 高知被告は、五十川被告と一緒に違法薬物を使い始めたのは2010年からだと主張。それから6年間、シャブセックスを目的とした薬物使用を続け「刺激を求めて覚醒剤を使った。やめることよりむしろ、別れた女房にどうすればバレないか。そっちの方ばかりを真剣に考えていた」と被告人質問で振り返った。

 実際、逮捕時に高島はドラマの撮影で長期間、家を空けていた。それだけに高島に対して「本当に申し訳ないという言葉しか出てこない」と謝罪。最終弁論でも「別れた女房に迷惑をかけた」と、元妻に重ねて反省の意を示す一方で、愛人とは主張が食い違い、亀裂をうかがわせた。

 高知被告側は、2人で覚醒剤を使い始めたきっかけが、五十川被告が「一通りの薬物を使ったことがある」と高知被告に激白したことだったと主張。これに対し、五十川被告は「それまでやったことはない。誘われた」とした。長年にわたり不倫関係にあった2人だが、もはや愛情のかけらもないようだった。

 共犯のため合同審理となり、証言台の前にも10センチほどの距離を置いて並び立った。互いにシャブセックスのことは触れず、高知被告は「2人だけの時間を楽しみたかった」と表現。審理中、2人は目を合わすことはなかった。

 高知被告が初めて違法薬物に手を染めたのは10代後半。東京・原宿のテント村で外国人に大麻を勧められ、1カ月弱ほど使った。覚醒剤は20歳の時、ディスコで外国人スタッフから譲られ、あぶって10回ほど使用した。

 肉親はいないため、自身が出演したドラマのプロデューサー(67)らが情状酌量を訴える上申書を提出。読み上げられると、高知被告は目に涙を浮かべた。公判中は質問されると間を置き、感情を込めてセリフのように話した。

 東京湾岸署での勾留時に触れ「覚醒剤で逮捕された人が夜中に“助けてくれ”“殺される”と叫んでいるのを聞いて恐ろしさを知った」と回想。8月から月1回、薬物依存脱却のため病院に通い始めたという。ただ、再犯の可能性を聞かれると「正直不安です」と本音ものぞかせた。高島と離婚して周囲のサポートも少ない中、厳しい更生の道が続く。

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