武井壮 人生かけて様々な競技に挑戦 ボウリング、ビリヤード、乗馬…

[ 2016年8月14日 12:15 ]

日本選手団にエールを送る武井壮

 リオ五輪を節目として競技生活に区切りをつける選手も多い。

 競泳女子200メートル平泳ぎで金メダルに輝いた金藤理絵選手は、東京五輪を目指すか聞かれ「競技者として携わることは考えられない」と答えた。まさかの1回戦負けで五輪の舞台から去ったフェンシング男子フルーレの太田雄貴選手は「未練もなく、これで現役を退けるくらいスッキリしている」と引退を示唆した。

 結果は対照的だが、スッキリした気持ちは同じ。リオを目指した4年間の道のりを考えれば、勝っても負けても完全燃焼したのだろう。今後はその経験を買われて監督やコーチ、評論家などの道に進むことになるはずだ。アマチュアスポーツ界のセカンドキャリアは、これが当然のことだ。

 取材の中で、面白い生き方を提唱する人がいた。それは、現役アスリートでもあるタレント武井壮。陸上十種競技の元日本王者は、近年、世界マスターズ選手権に出場しリレーで金メダリストになった。今後も陸上を続けるかと思いきや、「陸上は金を取ったので、別の種目で世界を狙いたい」と言う。ひとつの競技を全うするのではなく、人生をかけて様々な競技に挑戦したいというのだ。

 現在はボウリング、ビリヤード、ゴルフのプロの資格取得を目指している。一方で「もしかしたら(東京五輪の新種目に決まった)スポーツクライミングに挑戦するかもしれない」と明かした。「それならば東京五輪が楽しみですね」と言うと、「東京五輪だけじゃないですよ。その4年後も五輪はありますから。馬術は70代で代表になられる方もいる。あと30年あればいくらでも成長できると思いますよ。乗馬も始めたんで。大会は世界中に転がってますよ」。プロ、アマ関係なく、世界を見据えている。

 オリンピアンと武井を比較することはできない。ただ、そういう生き方もある。「選手の方々はひとつの競技で真っ直ぐ縦に積み上げてますよね。俺はそれを横に横にと広げている。その横幅で世界一になりたい」

 五輪に出場した一流のアスリートならば、別の競技でも活躍できる精神力や肉体を持っているはず。種目を変えて世界を目指すメダリストが見てみたいと思った。(記者コラム) 

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2016年8月14日のニュース