堺雅人「真田丸」後半戦は「浅い呼吸」究極の自然体「流されるだけ」

[ 2016年8月13日 11:00 ]

大河ドラマ「真田丸」で真田信繁を演じる堺雅人。後半戦の展望を語った(C)NHK

 俳優の堺雅人(42)が主演を務めるNHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)は、14日放送の第32話「応酬」から“新章”に突入する。ドラマ全体を春夏秋冬に例えると「秋」。堺が後半戦を展望した。

 第1話から第13話の「上田編」が「春」、第14話から第31話の「大坂編」が「夏」。「秋」は山本耕史(39)演じる石田三成と、内野聖陽(47)演じる徳川家康の対立が深まる。側近として豊臣秀吉(小日向文世)の天下統一、老いる姿も目の当たりにし、成長を遂げた真田信繁(堺)は三成を支える。

 全50話。既に折り返しを過ぎたが、堺は「視聴者の皆さんが楽しんでくださっているという声も現場に届いているので、それは非常に助けになります」と感謝し、後半戦の収録が進む現状を語った。

 「(ドラマが)終わってから機会があれば、ゆっくり見返して『こういう物語だったんだ』と思う時期が来るかもしれないですが、ここまで物語がグーッと深く進んでくると、今は、この物語がどこに向かうのかとか、これはどういう意味なのかとか、そういうことすら愚問のような気がしています。僕が楽しいかとか、どう思っているかとかなんて、どうでもいいなと思っていて。ある意味、思考停止しているんですよね。(歴史や演技の)評論家としての思考を全く停止しているので。(演技は)『やれと言われたんで、やりました』みたいな」と笑いながら「流されるだけ流されていこうかなと思います」と目の前のことにただ集中する“超自然体”の状態にあると明かした。

 序盤は台本が届いてから撮影までの時間があり「だから、台本の解釈ができたんです」というが、後半戦に入り、その間隔が短くなり「最近は『すぐ撮りますっ!』という感じなので、(セリフを)覚えて出すので必死。(セリフを覚えて、出す)吸って吐いての呼吸が、ためずに、ドンドン浅い、速い呼吸になっていく。それも含めて、この作品のいいところだと思う、うん」と納得しながら、独特の言い回しで収録の状況を表現した。

 今年1月のインタビューの際、この1年を健康に過ごす方法については「ちゃんと食べて、ちゃんと寝ることくらいですかね。NHKはしっかりしていて土曜、日曜はお休み。撮影が夜遅くなれば、次の日は遅く始まる。生活が規則正しくなって、睡眠時間も増えました」と笑顔だったが、今も体調は「大丈夫です」と変わりないようだ。

 「現場を縫いながら別の仕事をなさっている方のご苦労を考えると。僕、割とこれ(真田丸)だけなので。ホント(上杉)景勝(遠藤憲一)さんとか心配なんですよね。そんなに働いて大丈夫なのかな?」と笑いながら「(撮影が)終わった人から次々に舞台をやっていくんですよね。たぶんコヒ(小日向)さんも今ごろ長台詞と格闘していると思うんです(9月に舞台「DISGRACED/ディスグレイスト―恥辱」に出演)。そっちの方がよっぽど大変だなと思って」と共演者を気遣った。

 「現場的には朗らかな雰囲気、健やかな雰囲気をキープしながら、(脚本の)三谷(幸喜)さんの紡ぎ出す物語を全員で受け止める。そういう態勢にはなっています」と手応え。冷静な受け答えの中にも、その表情には充実感がにじんだ。

 真田家が2つに割れる犬伏の別れ、再び徳川軍と相まみえる第二次上田合戦、天下分け目の関ヶ原の戦い、そして父・昌幸とともに蟄居を命じられた信繁の九度山(和歌山県)生活…。ドラマ終盤へ期待は一層、高まる。

続きを表示

この記事のフォト

2016年8月13日のニュース