森田剛 りえと共演、蜷川さん追悼公演で「引き寄せてくれた奇跡」実感

[ 2016年8月6日 16:39 ]

蜷川幸雄追悼公演 舞台「ビニールの城」公開ゲネプロで熱演する宮沢りえ

 5月に亡くなった演出家の蜷川幸雄(にながわ・ゆきお)さんの追悼公演となる舞台「ビニールの城」(蜷川幸雄監修、唐十郎作、金守珍演出)が東京・シアターコクーンで6日夜に開幕するのを前、報道陣にゲネプロが公開された。

 本作は同劇場の芸術監督を務める蜷川さんが最後にキャスティング、スタッフィングを行った作品で、病室の枕元にも台本が置かれて強い意欲を抱いていたという。主演を∨6の森田剛(37)、ヒロインを女優の宮沢りえ(43)がそれぞれ務め、劇団「新宿梁山泊」主宰の金守珍氏が演出を手がける。

 森田は「こんなに素敵な出演者、スタッフの方が集結しているのは蜷川さんが引き寄せてくれた奇跡。稽古を通じて、皆さんの力、思いが大切な作品だと改めて実感しました。より一つになって、初日を迎えたい。公演が終わった後に自分と向き合って、蜷川さんへ思いを報告できたらいいなと思います」と前を向いた。

 生身の接触を拒否し、人形を介してしか世界と向き合えない主人公の腹話術師の青年という役どころということで、腹話術師のいっこく堂(53)の指導を受けたといい、「短期間の稽古でしたが、僕のできることを引き伸ばしてくださり、お芝居の延長で腹話術ができる感覚を教えていただきました。素敵な言葉たちをぜひ感じてください」とコメントした。

 宮沢は「大好きな蜷川さんからそっと、手渡されたモノを、ギュッと握りしめたまま、森田さんをはじめ魅力的な共演者と、最高のスタッフと、密度の高いお稽古を重ねました。てのひらの中にあるのはやっぱり、志高く作品をつくるという、魂でした。劇場に見に来てくださる方に、そして、どこかで見守ってくれてる蜷川さんに、その魂を思いっきり、届けたい。それだけです」と前を向いた。

 演出を手掛ける金氏は「蜷川さんならではの絶妙なキャスティングと強力なスタッフのもと、レベルの高い稽古環境で思いっきりぶつかることができ、自分がイメージしていたい以上の仕上がりになった。おかげで演劇人生の両師匠・蜷川さんと唐さんに『どうですか?』と胸を張れる仕上がりになった。初日を迎え、ドキドキというより、ワクワクしている」と期待を膨らませた。

続きを表示

この記事のフォト

2016年8月6日のニュース