狂言師・野村萬斎“ゴジラ役”に喜び「ゴジラに狂言のDNAが…」

[ 2016年7月30日 05:30 ]

映画「シン・ゴジラ」のゴジラの動きをモーション・キャプチャーを使って演じた野村萬斎

 映画「シン・ゴジラ」(総監督庵野秀明)が29日に封切られ、狂言師の野村萬斎(50)が“ゴジラ役”を演じたことが発表された。今作ではフルCGのゴジラだが、その動作は野村の動きを基に製作した。

 エンドロールで出演者として最後に出る名前が「野村萬斎」。だが本編には一切出ていない。その答えがゴジラ役。この日、都内で行われた初日舞台あいさつで流れた野村のビデオメッセージで明かされた。野村は「日本の映画界が誇るゴジラという生物のDNAに、650年以上の歴史を持つ狂言のDNAが入った」と喜んだ。

 オファーしたのは特技監督の樋口真嗣氏。着ぐるみではなくCGを使う上での欠点が、人の手でゴジラに動きをつけること。それを補うために親交のあった野村に依頼した。野村の狂言を見た時に「狂言は妖怪やキノコという人間以外の役もやる。この人だったらいける」とひらめいたという。

 快諾した野村は、クランクイン前の昨年7月に極秘で撮影に臨んだ。関節などに取り付けたセンサーで動きをデジタルで記録する「モーションキャプチャー」の技術を使用。ゴジラのお面と尻尾を付けた野村が、さまざまな動きをやってみせた。能や狂言の様式美を意識し、ゆっくり、どっしりした動作を心掛けた。

 野村が息を吹き込んだゴジラの存在感を、出演者も絶賛した。主演の長谷川博己(39)は「ゴジラが止まる動きが霊的で独特。日本の伝統芸能が入って“オール・メード・イン・ジャパン”だと再確認しました」、竹野内豊(45)も「これはハリウッドでもマネできない」と胸を張った。

 12年ぶりに日本で製作されたゴジラは、全国441スクリーンで公開。配給の東宝は「興行収入50億円超えを狙えるスタート」と自信を見せた。

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