シン・ゴジラ世界100カ国襲撃 庵野監督自信回復「救われた」

[ 2016年7月20日 06:30 ]

世界100カ国・地域への背信が決まった映画「シン・ゴジラ」のワンシーン

 日本で12年ぶりに製作されたゴジラシリーズの新作「シン・ゴジラ」(総監督庵野秀明、29日公開)が、史上最大規模の世界100カ国・地域への配給が決まった。19日に都内で開かれた完成報告会見で発表された。

 赤黒い皮膚の新たなジャパニーズゴジラが世界に飛び出す。配給の東宝によると、100カ国・地域は、北米、南米、アジア、欧州、アフリカ、オセアニアと広範囲にわたる。過去最大だった04年公開「ゴジラ FINAL WARS」の67カ国・地域を大きく上回る。台湾やフィリピンでは8月の公開が決定し、日本公開前から大きな期待を集めている。

 総監督はアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズを手掛けてきた庵野氏。過去の日本版ゴジラと一線を画した手法を用い、ゴジラはフルCG。着ぐるみを使った撮影はなし。庵野氏は「映像表現の選択肢はいろいろあるが今回は映画の世界観に合わせた。CGの持つ“人間的でない部分”を生かした」と説明。意思を持たず街を破壊するゴジラの表現に有効だった。

 意識したのは1954年の1作目の「ゴジラ」だ。今作のゴジラは目線が下方向。初代ゴジラと同じで「人々を見ている」という。「ほかのゴジラはみんな前を見ている。それは対戦相手がいるから」と話し、人類との戦いを描いた初代ゴジラに近いストーリー性であることをほのめかした。

 監督オファーを受けたのは2013年の初頭。エヴァの新劇場版第3弾が前年に公開され、「エヴァという作品は僕自身の魂。3作品で身を削り取ってしまい、もう二度と作品が作れない状況に追い込まれた」という時期だった。そんな時にゴジラ復活を託された。

 「ゴジラに救われた。だからここにいますし、エヴァンゲリオンという作品を作り続けられる気がします」と新作への意欲を取り戻した。エヴァの新作が遅れていることを謝罪しつつ、「日本映画のCGへの見方が変わるくらいの作品」と自信を見せた。

 ◆ストーリー 東京・羽田沖で東京湾アクアトンネルが崩落する原因不明の事故が突如発生した。内閣官房副長官(長谷川)や首相補佐官(竹野内)が対応に追われる中、海上で正体不明の巨大生物の姿があらわになる。生物は鎌倉に上陸し、街を次々に破壊していく。政府は緊急対策本部を設置し、自衛隊に出動を命令。さらに米国国務省から女性エージェント(石原)が派遣されるなど、未曽有の脅威に対して世界も注視し始める。そして、「ゴジラ」と名付けられたこの生物と、自衛隊との一大決戦の幕が開ける。

続きを表示

この記事のフォト

2016年7月20日のニュース