なぜTVに引っ張りだこ?イベントで見せた“そのまんま東”の人間力

[ 2016年6月21日 11:20 ]

18歳選挙権告知イベントに参加し、都知事選出馬を否定した東国原英夫氏(中央)他4人は「秋葉仮面」の(左から)涼邑芹、桜雪、山下ゆあ、陽向こはる

 前宮崎県知事でタレントの東国原英夫氏(58)が20日、東京・秋葉原で行われたアイドルグループ「仮面女子」の派生ユニット「秋葉仮面」のテーマソング「選挙行こうぜ!」発表イベント参加。取り沙汰される都知事選出馬について、あらためて「出ません」と否定した。

 もちろん、出馬の噂がある人物の発言はニュースになる。記者も都知事選に関する取材をするために現場に向かった。だが、それ以上に東国原氏の人柄、バラエティー力に感心させられた。

 イベント終了後の囲み取材には、秋葉仮面の4人と東国原氏が参加した。報道陣の質問は東国原氏に集中し、「出馬はしないんですか?」「舛添氏について一言」など、都知事選や都議会に関する問いかけが相次いだ。その中で東国原氏は出演舞台と選挙期間が被っていることを理由に不出馬を明言。報道陣は満足した表情で囲み取材を終えようとしていた。

 そこで東国原氏は驚いたような表情を見せた。「この子たちは?」。本来、イベントの主役は秋葉仮面の4人で、東国原氏はスペシャルゲストとして参加していた。なのに秋葉仮面への質問がないことを指摘したのだ。

 言われてみれば、確かに失礼な話だが、そこに誰も気付かないくらい、報道陣は東国原氏のコメントに集中していた。指摘が無ければ、あのまま囲み取材は終わっていたと思う。ステージ脇では、イベント関係者が安堵(あんど)の笑みを浮かべているのが見えた。

 囲み取材以外でも、随所に気遣いが見て取れた。イベント本編のトークでは、事務所入りしてからまだ5カ月のメンバーもいる秋葉仮面をサポート。トークが止まると「ところで、あなた方の親御さんは投票に行ってますか?」などと、答えやすい質問を振っていた。

 秋葉仮面ファンにとって東国原氏は“邪魔者”だったかもしれない。だが、「僕もキャンディーズのファンだったから皆さんの気持ちはよく分かります」などと語って心を掴み、「僕らのころはそんな光る棒(サイリウム)はなかった」と笑わせていた。

 芸歴30年を超える“そのまんま東”の実力を見せつけられた。政治番組からバラエティー番組まで、幅広く活躍できる理由が分かった気がした。

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2016年6月21日のニュース