平愛梨“一発勝負”で新境地 ここぞの場面でぶっつけ撮影

[ 2016年5月29日 09:40 ]

カメラの前で愛くるしい笑顔を見せる平愛梨

 女優の平愛梨(31)が“一発撮り”で新境地を切り開いている。来月11日公開の映画「サブイボマスク」(監督門馬直人)でも、ここぞというシーンではリハーサルをせず、本番に臨んでいる。真っさらな気持ちで“出たとこ勝負”をすると、より自然に感情を引き出せるという。独特の方法にたどり着いた理由を聞いた。

 「サブイボマスク」で挑んだのは、口が悪く、ファンキー加藤(37)演じる主人公を「バカ」「うるさい」と叱りつけるシングルマザー役。激しい感情表現が求められるシーンは、本番一発撮りで撮影した。

 「監督と相談して、ここぞの場面では本番だけやらせてもらうんです。3台のカメラで、いろんな角度から一発で撮ってもらいました」

 台本は覚えながら、リハーサルをしたとしてもセリフをなぞるだけ。本番では激しい感情を一気に高ぶらせて爆発させる。

 「私はリハで泣いちゃうと本番で同じように泣けない。セリフもあまりに頭に入れ込んじゃうと、演技に感情がこもらなくなっちゃう。だから最近、一発撮りが可能なシーンでは監督にお願いしているんです」

 謙遜して説明するが、平の一発撮りの演技力を評価する演劇関係者は多く、門馬監督もその一人だ。

 きっかけは、13年のNHKBSプレミアムの主演ドラマ「ママになりたい…」だった。シリアスに泣くシーンで「この芝居は1回しか泣けないと思います」と、自ら監督に一発撮りをさせてもらえないか提案。やってみたところ1回でOKが出て、それ以降の作品では、ここぞのシーンでは一発撮りにしている。もちろん、ほかの出演者に迷惑をかけない単独シーンなどでだ。

 ヒントを得たのはバラエティー番組だった。

 「お芝居は台本読んでリハをやって本番という流れだけど、バラエティーは基本、何もかもが初めての状態で本番を迎える。その初めてっていう新鮮な感覚が私には大事で、お芝居の時もそれは一緒なんだって気づいた。バラエティーのように一発撮りにした方がしっくりきました」

 ▽サブイボマスク 熱血漢の主人公が地元の田舎商店街を盛り上げるべく奮闘する姿を描く。覆面レスラーだった父の形見のマスクをかぶり、謎の覆面シンガーとして歌で人々の心を揺さぶっていく。ほかに小池徹平(30)泉谷しげる(68)らが出演。

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