アイドル刺傷男、人気若手女優も標的 粘着質かつ大量メッセージ

[ 2016年5月24日 05:40 ]

送検のため警視庁小金井署を出る岩埼友宏容疑者=23日午前

 東京都小金井市で私立大3年でアイドルの冨田真由さん(20)が刺され重体となった事件で、殺人未遂容疑などで送検された会社員の岩埼(いわざき)友宏容疑者(27)が「2、3時間、待ち伏せした」と供述していることが23日、分かった。現場となったビル近くのJR武蔵小金井駅で襲撃の機会を早い時間から待っていたとみられ、改めて岩埼容疑者の執ようさが浮き彫りになった。

 警視庁小金井署によると、岩埼容疑者は「事件当日、冨田さんに会うため、新幹線で上京した」とも供述。事件は21日午後5時5分ごろ発生したが、岩埼容疑者のものとみられるブログには、同日午前8時25分に「行ってきます!」、事件直前の午後5時には「まだかなまだかな~」と、襲撃の機会をうかがうような投稿があった。

 岩埼容疑者が冨田さん以外の映画などで活躍する人気若手女優らに粘着質な大量のメッセージをネット上に書き込んでいたとみられることも判明。この女優のファンの掲示板に、岩埼容疑者とみられるアカウントから1日に何度も投稿があり「顔以外なにを褒めるよ」など中傷するメッセージが多数あった。

 今年1月以降は、冨田さんのツイッターに、プレゼントした腕時計などを送り返されたことを非難するようなメッセージを連日投稿。4月末に冨田さんから、ツイッターのやりとりを拒絶する「ブロック」をされたとみられ、その後は、冨田さんと共演した別のタレントに10日間で20回以上「冨田真由に“全部返せ”と伝えてください」などと書き込んでいた。小金井署は、ブロックで冨田さんとやりとりができなくなり、不満を募らせていったとみている。

 ストーカー被害などの相談を数多く受けているNPO「ヒューマニティ」の小早川明子理事長は、ブロックについて「自分だけがのけ者にされた、と恨みに持つ人もいる。ブロックするのであれば、ツイッターをやめた方がいい」と指摘。また、個人的なことを書き込むと、自分とやりとりしていると妄想する人がいるとし、「書き込みはコンサートなど仕事の告知だけにし、プレゼントも受け取らないことを掲載すべき」と話した。

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