英から勲章「世界のニナガワ」 日本でも10年に文化勲章

[ 2016年5月13日 07:14 ]

03年3月、名誉大英勲章第3位の叙勲式でゴマソール駐日英国大使(左)と握手する蜷川さん

蜷川幸雄さん死去

 蜷川さんは、演劇の基礎とされるシェークスピア劇やギリシャ悲劇をいかに自分たちのものにするかという命題と格闘。言語や文化、宗教観の異なる西洋の演劇を日本の観客に分かるように伝えるため、歌舞伎の様式性を持ち込むなどビジュアルで西洋の演劇と日本人の記憶を結びつけた。

 東西の文化を融合した独自の世界観は、本場欧州の人々をも驚かせた。83年、初の海外公演となった「王女メディア」にローマやアテネの観客は熱狂。87年にロンドンのナショナル・シアターで「NINAGAWAマクベス」を上演した際は、新聞各紙が「今やマクベスは日本人となった」と絶賛。02年には日本の演劇人で初めて、英国から名誉大英勲章第3位(CBE)を授与された。晩年に力を注いだのは、高齢者の演劇集団「さいたまゴールド・シアター」。演劇を通じ高齢化社会に向き合った活動は国内外から関心を集めた。

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