安定感の「報ステ」キャスター変わっても好調　ＴＢＳ、フジは…　

「報道ステーション」の新キャスターを務めるテレビ朝日の富川悠太アナウンサー

　古舘伊知郎氏から富川悠太アナへとキャスターが変更になったテレビ朝日系「報道ステーション」を筆頭に、４月改編で大きく様変わりした夜の報道番組。その変化に視聴者はどのような見方をしているのだろうか。

　最も大きい変化があった「報道ステーション」。担当キャスターやナレーション、新セットなどちょっとしたリニューアルは感じられるものの、もともと当番組担当だった富川アナがメインとあって画面に違和感はなく、その隣に座るサブキャスターの小川彩佳アナは続投したこともあり、いい意味で変化を感じさせない安定感を見せた。

　一方で富川アナらしさが出てもいいのではないかという見方もある。データニュース社（東京）が行なっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」（対象３０００人）によると「富川悠太アナはじめ新しいキャストに大いに期待したい」（６９歳女性）、「富川アナの新しいニュース番組を期待したい。」（３４歳男性）など、富川アナの今後を楽しみにしている雰囲気も伝わる。これから古舘時代にはなかった、新しい色が出てくると面白くなりそうだ。

　ＴＢＳ系「ＮＥＷＳ２３」とフジテレビ系「ユアタイム～あなたの時間～」はどうだろうか。

　「ＮＥＷＳ２３」は、メインキャスターの星浩氏のほか、大胆なテロップ表示を多用した画面構成など、以前のクールな印象からイメージチェンジが図られた。「星キャスター緊張感がありあり」（５４歳男性）、「岸井キャスターの時代に比べ、迫力不足」（７１歳男性）という意見が多かった。

　岸井・膳場時代は、膳場アナが進行し岸井氏がご意見番的存在であったが、今回の星氏は政治部記者出身という強みもありながら、加えて進行もこなすという大役。しゃべりのプロではないだけに、安定感を求めるのはまだ酷なのかもしれない。「笑顔がほっこりするお父さんタイプ」という意見もあり、その人柄がにじみ出てくるとファンはもっと増えそうな気配だ。

　フジテレビ「ユアタイム～あなたの時間～」は、キャスターに鉄道やアニメに造詣が深いモデルでタレントの市川紗椰を起用。これまでにない新たな視点でニュースを伝えるという試みだった。「市川紗椰好きだけどメインは厳しい」（２７男性）、「市川さん、新鮮で良いが報道慣れてない感じが危なっかしい」（５２歳男性）など、見ている方がハラハラドキドキ。報道番組はショーアップ的な要素必要かもしれないが、一番は落ち着いて見ていられることができるかどうかにある。

　それでもニュースのコメントは番組の意図通り少し変わった視点が入り、これまでにないスタイルのニュース番組になりそうな予感がある。ニュース番組は長いスパンで作り上げていくもの。半年、１年後と視聴者の反応の違いを追いかけるのは興味深いことである。