染五郎 遠隔ライブビューイング歌舞伎に手応え「ひとつのジャンルになる可能性」

[ 2016年5月7日 16:52 ]

3Dのバーチャル映像で舞台あいさつした市川染五郎

 歌舞伎俳優の市川染五郎(43)らによる米ラスベガス公演「獅子王(KABUKI LION)」をリアルタイムで遠隔操作による高臨場感で上映する実験が7日、羽田空港で行われた。

 松竹とNTTが共同で研究を進めている新たな中継システムで、9台の4Kカメラで撮影された映像を、MMT(エムペグ・メディア・トランスポート)と呼ばれる技術を用いて伝送。4Kマルチ映像の同期による国際中継は世界初の試みで、NTTの篠原弘道副社長(62)は「日本の文化を世界に発信する共同実験のスタートになる」と説明した。

 染五郎は公演後、こちらもNTTの被写体抽出技術「Kirari!」によって、3Dのバーチャル映像で舞台あいさつ。「歌舞伎と映像が融合する上では、色彩の美しさ、鮮明さが共通言語になるのではと思いチャレンジした。ひとつのジャンルになる可能性を感じる」と手応えを感じている様子だ。

 昨年に続くラスベガス公演で、「ついに始まったという喜びよりも、戦いが始まった気がしています。初日が終わって、さらに緊張を感じました」と引き締まった表情。そして、「映像で見ることによって成立する歌舞伎もあると思う。これが世界中の人に見られ、そして世界中で公演できるようになるため、さらなる融合を目指していきたい」と意欲を見せていた。

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2016年5月7日のニュース