盲目の落語家・桂文太 2度目の独演会開催へ「噺家でよかったです」

[ 2016年5月6日 13:13 ]

独演会に意欲満々の桂文太と相棒の盲導犬デイリー

 5代目桂文枝に入門して45周年、盲目の落語家桂文太(63)が6月8日になんばグランド花月(NGK)で「桂文太ぷれみあむ落語会inNGK~語り草2~」を開催することを6日、発表した。

 文太は高校卒業後、1971年に3代目桂小文枝(5代目桂文枝)に入門。ネタ数の多さには定評があり、「桂文太 今様いろはセレクション」「桂文太 贋作あいうえおコレクション」と持ちネタは楽々100を超える。

 文太は50歳になってから難病の「網膜色素変性症」で視力を失った。だが、盲導犬デイリーとともに落語に打ち込んだ。会見でも5年を超える相棒のデイリーがそばに寄り添ったまま。電車に乗る際に危険な目にあったこと、目が見えない苦労話などを時折、涙を浮かべながら明かし、「デイリーに助けてもらっていろいろなところに行ける。好きな落語もやらせていただいてる。たくさんの人にも助けられてます」と感謝の気持ちを表し「稽古量も増えました。心で落語を演じるようになった。噺家でよかったです」としみじみ話した。

 昨年6月にNGKで初の独演会を開いた。立ち見も出るほどの盛況で、最初に舞台に上がった時は「お客さんの拍手が鳴り止まず、いきなり泣いてしまいました」と文太は照れ笑い。今回はその第2弾で「伊勢参宮神乃賑」「松島心中」ともう1題を演じる予定だ。「昨年は笑いの多いネタばかりでしたが、今年は品川心中の贋作で松島心中を。自分で脚色しました。ホロッとさせる大人の話です」と文太は2度目の独演会に意欲を見せている。

 当日は弟弟子の桂文三(48)、ゲストに桂米團治(57)が登場する。

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2016年5月6日のニュース