森高千里歌って届ける 故郷・熊本への思い 地震後初ライブ

[ 2016年4月24日 05:30 ]

ライブで故郷・熊本への思いを語る森高千里

 熊本出身の歌手、森高千里(47)が23日、東京・青海のZepp Tokyoでライブを行った。熊本地震発生後、初めての公の場。「私にできるのは歌を歌って、皆さんに届けること。熊本の、九州のみなさんに届くよう、一生懸命に歌いたい」と故郷にメッセージを送った。

 震度7を2度観測した未曽有の災害。熊本市内に住む森高の両親や親族は無事で、実家は食器の破損や水道が止まる程度の被害状況だった。しかし地震による死者が多数出て、いまだ行方不明者もいる。森高の心は開催の是非を含めて揺れ動いたという。だが、関係者の後押しもあり「自分が何かをすることで、少しでも地元の力になるのなら」と決意して立ったステージだった。

 地元の両親や友人とは毎日、電話で連絡をとっていると話し「雨漏りしてないかとか、確認しています。でも励ましているような、励まされているような感覚」と、電話の向こうで明るく振る舞う様子を推し量った。余震も続く中で「両親は夜になると凄く怖いと言ってます」といい「車中泊や避難所で過ごす知り合いもたくさんいる」と、避難生活の厳しさを肌で感じている。

 「たくさんの方が亡くなった。何もできないのが心苦しい」と無力さをかみしめつつ「やっぱり私は、歌を歌って思いを届けるのが仕事」ときっぱり。「友達からも、東京からパワーを送ってねと言われた。皆さん(観客)のパワーを借りて九州に送りたい!暗くなる必要はないです!」と絶叫し「渡良瀬橋」など19曲を歌いきった。

 会場には、被災地への義援金を集める募金箱も設置された。「もちろん私も寄付したい」と笑顔を見せた森高。「一日も早く心の平穏を取り戻せるよう、心から願っています」と、被災地復興にエールを送った。

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2016年4月24日のニュース