朝ドラヒロインに芳根京子 難病克服、4度目挑戦で決定

[ 2016年4月7日 05:30 ]

ヒロインを勝ち取った芳根京子

 NHK次期連続テレビ小説「べっぴんさん」(10月3日スタート)のヒロインに女優・芳根京子(19)が決まり、6日、同局から発表された。芳根は「何より自分らしさを忘れずに、これから1年間突っ走りたい」と意気込んだ。

 会見では中学2年生の時に四肢に力が入らなくなる「ギラン・バレー症候群」を発症し、1年間かけて克服したことを告白。「芯の強さは、病気を経験して、自分を持とうと思うようになったからかもしれません」と語った。

 ギラン・バレー症候群は国の特定疾患に指定されている病気で、筋肉を動かす運動神経に障がいが起こり、顔面まひや呼吸困難の症状が出る場合がある。人口10万あたり年間で1~2人が発症すると言われており、09年に他界した女優の大原麗子さん、12年に亡くなった俳優の安岡力也さんらも患っていた。

 芳根は「完治して支障はありません。本当に少ない可能性で、この病気で亡くなった方もあると病院で聞いた。あの時、命の重さを実感しました」と力を込めた。

 朝ドラのヒロインを4度目の挑戦で射止めたのも諦めない心の強さからだ。朝ドラは「まれ」(15年前期)「あさが来た」(15年後期)「とと姉ちゃん」(16年前期)と3回連続で挑戦し「2次に行ったのは一度だけで、あとは1次で落ちた」という。

 今回は2261人の中から決定。制作統括の三鬼一希チーフ・プロデューサーは「見た目の愛らしさの裏に芯の強さを持っているヒロインにぴったり。オーディションでは、こちらが吸い込まれそうになる特殊な感じがあった」と芳根の魅力を説明した。

 昨年夏のTBSのドラマ「表参道高校合唱部!」で芳根は約1000人参加のオーディションを勝ち抜いて主演した。その演技力や魅力は他の新進女優たちから「一緒にオーディションを受けたくない女優No・1」とも言われてる。5月のクランクインを前に、まだデビュー3年の実力派の新人は「楽しみでワクワクしています」と声を弾ませた。

 ▽ギラン・バレー症候群 国の特定疾患に指定されている病気。筋肉を動かす運動神経に障がいが起こり、手足に力が入らなくなる。顔面まひや呼吸困難の症状も。日本では少なくとも年間2000人以上が発症。発病から1年後には約6割が完治、3割の患者に障がいが残る。09年に他界した女優の大原麗子さん、12年に亡くなった俳優の安岡力也さんも患っていた。

 ◆芳根 京子(よしね・きょうこ)1997年(平9)2月28日、東京都生まれの19歳。2013年4月フジテレビ「ラスト・シンデレラ」でドラマデビュー。14年にNHK朝ドラ「花子とアン」でヒロインの親友・蓮子の娘役を演じ、15年2月には映画「幕が上がる」で、ももいろクローバーZと共演した。フルートとピアノが特技。

 ▽「べっぴんさん」 戦後、神戸市に子供服専門店を創業した実在の人物・坂野惇子さんをモデルにした物語。主人公の坂東すみれ(芳根)は裕福な家庭に生まれ、刺しゅうや縫い物が大好き。戦争のさなかに結婚して妊娠し、夫の出征中に長女を出産するが、空襲で家や財産を失ってしまう。戦地から帰らない夫を待ちながら、人々との出会いに導かれ、得意の洋裁を生かして子供服作りを始める。

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