“らしさ”と“新しさ”で視聴者を満足させるWOWOW「ドラマW」

[ 2016年4月3日 16:05 ]

 1月期のドラマが終了し、視聴率でみると「スペシャリスト」(テレビ朝日)と「怪盗 山猫」(日本テレビ)が平均2桁をキープしたほかは全て1桁台という寂しいクールだった。データニュース社(東京)が行っているテレビ視聴者調査「テレビウォッチャー」(対象3000人)の視聴者満足度をみると、トップは「お義父さんと呼ばせて」の3・93(5段階評価)、続いて「ナオミとカナコ」(いずれもフジテレビ)の3・92と高満足度の基準3・7を超える数値を獲得、視聴率という数字には結びつかなかったが、視聴者の印象に残るドラマとなった。一方で地上波以外でも高満足度のドラマとして視聴者に評価されたのがWOWOWのオリジナルドラマ枠「ドラマW」だ。

 ドラマWで放送され、先日最終回を迎えた椎名桔平主演の「メガバンク 最終決戦」は、WOWOWドラマが得意とする経済エンターテインメント。全6話の平均満足度は3・92と地上波との比較でも2位に並ぶ数値。また「メガバンク」と同時期にスタートした中井貴一主演の「きんぴか」は、同局らしい社会派テイストを盛り込んだ痛快活劇という変化球が新しく、こちらも平均3・81と高満足度を記録した。WOWOWらしさを残しつつも、新しい作品へも挑戦するラインナップで視聴者を満足させている。

 27日にスタートした「東野圭吾 カッコウの卵は誰のもの」は、人気作家・東野圭吾の同名小説が原作で、これまで同枠は「幻夜」(2010年)、「分身」(2012年)、「変身」(2014年)と東野作品のドラマ化をいくつも成功させている。今年に入り豊川悦司、田辺誠一などベテラン俳優たちの主演が続いてきたが、今回は「まれ」の土屋太鳳が主演し、爽やかなスポーツドラマの中に、医科学サスペンスを盛り込んだ挑戦作となっている。初回満足度は4・06と地上波含め、今年最高のスタートダッシュとなった。

 有料放送ゆえ、それに見合うだけの作品を生み出し続けるのが大前提となるが、2016年も引き続き失速せずに行けるかどうか、注目である。

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2016年4月3日のニュース