「志の輔らくご」中井貴一で初舞台化 4作紡ぐ人情喜劇

[ 2016年4月3日 09:05 ]

志の輔らくごとのコラボに意欲満々の中井貴一

 当代屈指の人気落語家、立川志の輔(62)の創作落語が、縁深い渋谷PARCO劇場で舞台化される。タイトルは「メルシー!おもてなし」(脚本・演出G2)に決まり、6月に上演、中井貴一(54)が主演する。劇場が入るビルは、都市再生特別措置法に基づいて建て替え計画が発表されており、改築前のクライマックス・シリーズを彩る目玉となりそうだ。

 同劇場では1996年、「志の輔らくご」の題名で落語公演がスタート。06年からは正月の1カ月公演となり、渋谷の冬を彩る風物詩となっている。チケット争奪戦が繰り広げられる人気公演で、08年にはスポニチも文化芸術大賞グランプリを贈るなど、社会現象化している落語会だ。

 舞台化されるのは、志の輔が創作し同落語会で披露した「踊るファックス」(00年初演)「ディアファミリー」(01年)「ガラガラ」(02年)「メルシーひな祭り」(03年)の4作。各作品それぞれのエピソードを紡ぎ、商店街で起こる騒動を笑いに包む人情喜劇だ。

 08年に創作落語の一作「歓喜の歌」が映画化されているが、舞台化は初めて。志の輔は「(落語家が一人で演じ分ける)それぞれの役に一人一人の俳優さんが就くと、どうなるのだろう?何か親のような気持ちですね」と話す。主演の中井については「喜劇センスの抜群な方。うれしい」と期待を寄せる。中井も「大好きなPARCO劇場ラストランに参加できることになりました。“志の輔らくご”とのコラボレーション、皆さまに楽しんでいただける大人の舞台に仕上げます」と意欲満々。他に勝村政信(52)、YOU(51)らが出演する。

 志の輔は「改築終了は東京五輪前後でしょうか。こけら落としはぜひやりたいですね。舞台を経て、こんなふうに変わりましたという落語を見せたい」と先を見据えている。

 ≪再開発エリア≫渋谷駅を中心とした4地区で進む渋谷の再開発。対象エリアには宇田川町に建つ73年オープンのパルコ・パート1、81年開業のパート3も含まれている。昨年6月にパルコが発表した建て替え計画によれば、ビルは地下3階、地上20階(高さ約110メートル)。19年9月の竣工(しゅんこう)を目指し、17年3月に着工の予定。PARCO劇場はパルコ・パート1に入っている。

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