hideさんと会話できるサービス好評 “単独コンサート”も実現?

[ 2016年3月1日 08:30 ]

hideさんと会話ができるNTTドコモのサービスが完成

 1998年に亡くなったロックバンド「X JAPAN」のギタリスト、hideさん(享年33)と会話ができるサービスが好評だ。

 主にスマートフォン向けのアプリとして人気の「しゃべってコンシェル」に、hideさんのキャラクターが新登場。ユーザーが端末に向かって「好きな食べ物は?」と聞くと「実家のギョウザだな」などとhideさんの声で答えてくれる。返答する声の主は「しゃべってキャラ」といい、hideさんのほかに中川翔子やふなっしーといった約200のキャラがある。故人のキャラは初めてで、無料キャンペーンでは、1週間で約5万ダウンロードを記録する人気ぶりだった。

 「しゃべってキャラ」の収録は通常2時間ほどで終わるが、hideさんの場合、それができないため、声のサンプルを大量に集めた。製作した携帯コンテンツ配信事業大手「エムアップ」によると、約1年かけ、のべ10数時間に及ぶ動画の中から声を抽出。集めた声を緻密につなぎ合わせて「合成音声」を作成した。

 hideさんは生前、楽屋裏のオフショットや休憩中の雑談の様子などをビデオカメラで収めることが多く、これらの動画音声が役に立った。実弟で所属事務所社長の松本裕士さんが「まるで本人と話しているようだ」と驚くほど、滑らかな声が再現されている。今月11日からはアップグレード版の有料販売がスタートする。

 この合成音声の開発によって、hideさんの単独コンサート開催が現実味を帯びてきた。

 14年12月には新曲「子 ギャル」を発売。ヤマハが開発した歌声合成技術「ボーカロイド」によってhideさんの歌声が再現された。また、昨年秋には、3Dホログラムで立体的なhideさんの映像を登場させるライブイベントも開催された。つまり理論上、hideさんはステージに登場し、歌を歌い、曲間をつなぐトークもできるのだ。

 「CG(コンピューターグラフィック)で完璧なヴィジュアルアーティストつくって、俺はいつのまにかフェイドアウトして、でも、hideって名前でやっていくの。いつのまにかすり替わってんの。もちろん、音楽は俺がつくるの」

 これは93年のhideさんの話だ。まるでこうなることを予測していたかのようで驚かされる。この頃からパソコンを駆使して音楽を作り「携帯電話とパソコンで音楽を聴く時代が来る」と予測していた。hideさんが思い描いたことが次々と現実となっていっただけに、単独コンサートも必ず実現すると信じている。

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2016年3月1日のニュース