小芝風花「びっくりぽん」の「あさが来た」 主役落選も…娘役射止めた

[ 2016年2月16日 11:31 ]

NHKの「あさが来た」で波瑠(左)と共演する小芝風花

 高視聴率を続けるNHK連続テレビ小説「あさが来た」の主人公一家にフレッシュな顔触れが加わった。ヒロイン・あさは1女の母となり、その娘を小芝風花(18)が演じている。スポーツ各紙の映画担当記者が選ぶブルーリボン賞の新人賞受賞から1年。大人への階段を一歩一歩駆け上がりながら、あさの長女がもう一人の“朝の顔”を目指している。

 18歳といえば少女から女性へと外見も内面も大きく変わる時期。おてんば娘が知らぬ間にお姉さんぽくなっていたりする。小芝もそう感じた。

 「え~何でやろ。今まで中学生に間違えられることの方が多かったので、そんなふうに言ってもらえるとうれしいです。私、褒められるのが大好きなんです」

 ドラマや映画ではヘアがセミロングやアップの印象が強いせいだろう。長く伸ばした髪で額や眉毛を隠しただけで、ぐっと大人っぽくなった。

 この春、都内の高校を卒業し、4月からは「仕事一本」。残り少ない学生生活は、東京~大阪間を頻繁に往復しながら「夢だった」という朝ドラに全力を注ぐ。大阪は物語の舞台であり撮影拠点。中学生までの地元だ。

 「休日は地元の友人たちとまた会えて楽しい。毎日が新鮮。関西弁も無駄なくらい使っています。びっくりぽんとか」

 波瑠(24)が主演するヒロイン・白岡あさの長女・千代役。14歳から30代まで、少女から大人に成長する姿を段階的に演じ分けていく。全156回のうち出番は102回(1月30日)から。他の主要キャストたちとは約7カ月も遅れて合流した。初めから顔を合わせて撮影してきた過去の出演作とは大きく違う。

 「最初は、めっちゃ不安で怖かった。白岡家を取り巻く人たちの空気や世界観が既に出来上がっていて、途中から私が入ったくらいで乱れはしない。そんな仲の良さそうな輪に入っていけるのだろうか…」

 時間差が生んだ共演陣との「微妙な距離」。これを逆手にとって演技にぶつけてみた。仕事で家を空けがちな母にいつも反発する役どころ。甘えたくてもかまってくれず、顔を合わせるたびに言い合いになって周囲をあきれさせてしまう。インタビュー中の親近感あふれる小芝とは180度違う。

 「14歳の千代は、いつも口をとがらせて、“いけず”ばかり言っている。テレビを見た人には“なんや、この子、生意気やな~”と思われそう」

 もともとヒロイン役を狙ってオーディションを受け、最終選考まで残った。物語と同じ衣装とカツラを着用してセリフを読み、カメラの前で審査。「あさ役は自分しかいない」。自信はあった。それだけに落選通知には落ち込んだ。

 「ウワーって声を上げて泣いちゃいました。かなり日がたってから合格者の名前を聞き、波瑠さんだと聞いて、なるべき人がなるんだなと納得した」

 気を取り直した後日、思わぬ知らせが届いた。あさのセリフで表現するなら「びっくりぽん」。ヒロインではなく、その娘役で起用されたのだ。“因縁”の波瑠とは、いきなり張り合うシーンで顔を合わせた。

 「その後、ある出来事があって母と娘の仲が変わるんです。そのシーンに向けて波瑠さんも、どう私と接すればいいのか考えてくれていたみたい。波瑠さんとの距離もグッと縮まった感じが私の中にはあるんです。役と現実がリンクしていて。(NHK側も)そういうところまで考えてくださっていたんだなって」と笑顔を見せた。

 ▼波瑠 とても真っすぐで、素直な女の子だなあと思います。しっかりして見えますけど、現場で年の近い役者さんといる時は普通の10代の女の子です。そんなところも含めて可愛い子だなあと思って現場で見ています。

 ◆小芝 風花(こしば・ふうか)1997年(平9)4月16日、大阪府出身。11年11月、オスカープロモーションによる「ガールズオーディション」でグランプリ受賞。12年7月、フジテレビドラマ「息もできない夏」で女優デビュー。14年公開の銀幕デビュー作「魔女の宅急便」で第57回ブルーリボン賞新人賞など受賞。同年、第86回選抜高等学校野球大会で応援イメージキャラクターに。1メートル56。血液型A。

続きを表示

この記事のフォト

2016年2月16日のニュース