清原容疑者 お遍路で見せた素顔「息子2人が唯一の希望ですから」

[ 2016年2月4日 11:00 ]

お遍路を歩いていた清原容疑者

 昨年3月から、四国霊場八十八カ所を巡る「お遍路」を歩いていた清原和博容疑者(48)。スポニチ本紙では同4月、そのうちの約15キロの道のりに同行。薬物使用疑惑をきっかけに家族も友人も仕事も失い、自暴自棄になっていた清原容疑者の胸の内を聞いた。その後も何度も会い、本紙だけに見せた素顔、語った言葉とは――。 

 薬物疑惑の渦中にある清原容疑者がどんな状態にあるのかを知りたくて、四国まで会いに行ったのは昨年4月下旬。高知との県境まであと10キロに迫る徳島・海部駅前から一緒に歩いた。

 清原容疑者に会うのはこの時が初めて。「よろしくお願いします」とあいさつしたが、清原容疑者は硬い表情のまま無言で会釈するだけ。隣から話しかけても、何も答えようとしなかった。結局、一言も交わさないまま、午前8時から4時間黙々と歩き続けた。

 ようやく話を聞くことができたのは昼食時。こちらの質問にポツリポツリと答え始めた。語気を荒らげた瞬間もあった。「母親が体調を崩している」と明かしたので、「何かご病気なんですか」と尋ねると「そんなプライベートなことまで書くつもりか?」とすごまれた。マスコミへの強い警戒心がうかがえた。

 初めて打ち解けるきっかけになったのは、野球の話題だった。お遍路で歩く四国の思い出を聞くと「徳島と言えば池田高校の水野(雄仁)さんから4三振を食らった。全然、打てなかったな」「高知にはルーキーの時に来た。キャンプ中、毎朝、桂浜で朝の散歩や体操をしたな」などと懐かしそうに振り返った。

 昨年夏のインタビューでも、野球についての質問には雄弁に答えた。しかし、それ以上に印象的だったのが、中学1年の長男について「野球やめちゃったんですよ。勉強があるからという話なんですけどね」と明かした時の暗い表情。「清宮(幸太郎)君に負けない才能があると思うんです。息子2人が自分の唯一の希望ですから」と、息子が野球をやめたことに大きなショックを受けていた。

 だから、秋に会った時、笑顔と口数が増えていたのに驚いた。「長男がまた野球を始めそうだ」という期待が明るさを取り戻した理由。再びテレビ出演するようになり、私生活では20代前半の若く新しい恋人ができたタイミングでもあった。息子2人と離れた後、自暴自棄になってやめていた糖尿病の薬を再服用するようになったのもこの時期だった。今年1月11日の名球会イベントでも、プロ野球の先輩に丁寧に頭を下げ、談笑する姿が見られていた。

 人生のどん底から上向いてきた矢先の転落劇。愛媛までの約900キロを歩いてきたお遍路も、輝きを取り戻すための歩みも自らの甘えが原因でついえてしまった。

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