水木しげるさん遺影も自然体 妻・布枝さん「奇をてらわず…」

[ 2016年1月31日 09:30 ]

鬼太郎などが見守る水木しげるさんの祭壇

 昨年11月30日に多臓器不全で亡くなった漫画家の水木しげる(本名武良茂=むら・しげる)さん(享年93)のお別れの会が31日、東京・青山葬儀所で営まれた。会場には代表作「ゲゲゲの鬼太郎」のテーマ、いきものがかりの「ありがとう」(NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」主題歌)などゆかりの曲が流れる中、穏やかに笑う水木さんが出迎える穏やかな会となった。

 遺影は水木さん生誕88年記念として出版された「屁のような人」の口絵として撮影されたもので、水木さん自身も気に入っていたといい、長女の原口尚子さんが選んだ。水木さんを「奇をてらわず、自然体な人でした」と話す喪主の妻・武良布枝さん(83)は遺影について「遺影まで自然体なので反省しています。普段着を着ていて…。もうちょっとちゃんとしてたのになって。遺影にごめんなさいしているところ。本人はこれでいいんだと言っているのはわかるけど、私としてはああ、失敗したなと」と笑顔を浮かべた。法名は「大満院釋導茂(だいまんいんしゃくどうも)」。布枝さんは「水木さんにピッタリ。導茂(どうも)がよく来客によく言っていた『どうも』というあいさつのようだ」と気に入っているという。

 祭壇は発起人である作家の京極夏彦氏(52)がデザイン。水木さんの短編漫画「丸い輪の世界」をイメージしたもので、笑顔の水木さんが鬼太郎、悪魔くんなどのキャラクターたちに囲まれている。その周りには、水木さんが大好きだったという故郷の鳥取県境港にある実家から見える風景、水木さんにとっては地上の楽園であった戦地ラバウルのジャングルに咲く南国の花を配置。菊、ユリ、ストレチア、ダリアなど3000本を超える花が添えられた。

 京極氏は「手前はご幼少期を過ごされた境港市の大海原を、両サイドは愛してやまなかった南方のジャングルをイメージした。中央の輪は『丸い輪の世界』で、丸い輪の向こう側にはこの世の向こう側の世界があって、輪が開いている間は行き来ができるんです。先生はとりあえず、そちら側にいますけど、輪が開いているうちは先生に会えるんです。鬼太郎とかのキャラクターたちを笑いながら見ているので、そちら側に皆さんに話しかけてほしい」と話した。祭壇の横には妖怪ポストも設置され、水木さんらしい空間が作られた。

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