「ミスター・リップサービス」石田純一をも黙らせたベッキー不倫騒動

[ 2016年1月29日 10:02 ]

24日、「たかの友梨エステティックシンデレラ」表彰式に参加した石田純一

 芸能人もいろいろ。特に「囲み取材」と呼ばれる、多数のリポーターや記者がタレントを取り囲む取材では、違いが顕著に出る。バラエティーでは明るいが意外に口数が少ない人もいれば、寡黙そうなルックスで、口を開くと面白い人もいる。

 長い芸能取材歴で、数え切れない囲み取材に参加しているが、さすがと言えるスキルに毎度感服するのが石田純一(62)だ。口数が多いのはもちろん、“女性遍歴”“軽いキャラ”など、自分が期待されている部分を的確に把握し、実に原稿にしやすい回答を返してくる。プライベートも隠そうとしない。

 なにより敬服するのは“タブーのなさ”だ。石田といえば96年、自身の発言がもとで起きた「不倫は文化」騒動だが、幸せな家庭を築いている現在も「実は不倫したいですよね?」などという問いかけを受ける。そんなぶしつけな問いにも「もぉ~。勘弁してよ~」などと軽いノリで報道陣にボディータッチ。ハズレなし。個人的には「ミスター・リップサービス」と勝手に思っている。

 24日、都内で「たかの友梨エステティックシンデレラ」表彰式に臨んだ際も“絶口調”。エステで美しく変身した女性たちを前に「好みは誰?」と聞かれ「えー30…こらこら」とノリツッコミ。「電話番号渡したりしてないでしょうね」と聞かれれば「うーん、まあちょっと」と、脳天気なまでのさわやかスマイル。妻の東尾理子(40)が第2子を妊娠していることに触れ「女の子で決まりです!」などと近況を報告した。

 そんな石田が口ごもるのを初めて見た。ベッキー(31)の不倫騒動に話題が及んだとき。いつもなら、関係者が制止してもしゃべり続けるのに、この日は「何も言うことはないです…」と尻込み。「不倫の先輩として一言」などの問いかけにも「いやいや…」とお茶を濁し、そそくさと退場した。

 数年前、囲み取材が終わった後、石田に「なぜ何でも答えてくれるんですか」と聞いたことがある。「不倫は文化」で芸能界を干された経験を挙げ「話したくても話せないときがあったから、こんな僕の言うことで喜んでくれるならいくらでも」と笑顔で語ったのが印象に残っている。

 ベッキーの質問を受けたときの石田の胸中は分からない。ベッキーは現在、10社あったCMが騒動の影響で皆無になるなど苦境に立っている。不倫バッシングを乗り越えた石田とはいえ、軽々しい言葉をかけられなかったのかもしれない。騒動がもたらした影響の大きさを感じさせた。

 会見終了後、スタッフとともに会場をあとにする石田と遭遇した。厳しい質問をしたあとにもかかわらず、こちらに丁寧におじぎし「お疲れ様でした」と声をかけてくれた。「本当はさっき、どういう気持ちだったんですか?」とは、聞けなかった。

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2016年1月29日のニュース