古舘氏降板 “古賀の乱”経て政治的圧力疑う声も「風当たり強く…」

[ 2015年12月25日 08:20 ]

篠塚報道局長と登壇し、報道陣に会釈する古舘伊知郎キャスター

 テレビ朝日「報道ステーション」の古舘伊知郎キャスター(61)が24日、東京・六本木の同局で記者懇親会を開き、来年3月31日の放送をもって降板することを発表。「うっぷんがたまった。娯楽の方(バラエティー番組)で思いっきりしゃべり倒したい」と番組を離れる理由を語った。

 番組をめぐっては今年3月の放送でコメンテーターを務めた元経済産業省官僚、古賀茂明氏が自身の降板に関し「官邸の皆さんからバッシングを受けてきた」と発言、自民党から同局幹部が事情聴取を受けるなど、政権与党からの「圧力」が議論を呼んできた。今回の突然の降板発表には、政治的な背景があったのではないか、という指摘も広まった。

 服部孝章・立大名誉教授(メディア法)は「なぜ今なのか?古賀氏の騒動から続き、やはり政治的圧力があったのかと、視聴者には見える」と語った。11月にはTBSの「NEWS23」アンカーの岸井成格氏(71)の安全保障関連法案をめぐる発言について、全国紙2紙に意見広告が掲載された。服部氏は「安倍政権に批判的な番組、ジャーナリズム性の強いメディアへの風当たりが強くなってきている。一方で、テレビ局側は殴られっぱなしの状態」と指摘。古舘氏の降板は「ジャーナリズムの一つの灯が消えた、のではなく、消された。経営者と権力によって」と危惧した。

 民放関係者も「テレビ朝日側が風を感じて、それが古舘さんにプレッシャーになった部分があるかもしれない」と話す。

 ジャーナリストの田原総一朗氏は「政治的圧力はない」とした上で「古舘氏はとてもうまくやっていた。いくつものニュースをさばき、切り返しも見事。ただ、毎日エネルギーを120%使わないといけないし、ご本人はちょっと大変だったのではないか」といたわった。

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2015年12月25日のニュース