食わず嫌い、男気ジャンケン…「みなさんのおかげ」長寿番組支える企画力

[ 2015年12月24日 10:34 ]

新企画「とんねるずサンタ」のワンシーン(太田プロデューサー撮影)

フジテレビ太田プロデューサーインタビュー(上)

 24日に放送されるフジテレビ系「とんねるずのみなさんのおかげでした超豪華クリスマス爆笑2時間半SP」(木曜後9・00)で、人気コーナーの「2億4千万のものまねメドレー選手権」が1年2ケ月ぶりに復活する。とんねるずの石橋貴明(54)と木梨憲武(53)がメーン司会を務める「みなさん…」は1988年秋のレギュラー放送開始から今年で27年目。長寿番組となった理由はもちろん、「食わず嫌い王決定戦」「モジモジくん」「男気ジャンケン大人買いの旅」など名物コーナーを生み出した「企画力」だ。「みなさんの…」企画はどのようにして誕生するのか?同局の太田一平プロデューサーに聞いた。

 ――名物企画が数多くありますが、企画はどのようにして生まれるのですか?

 「ありがたいことに出演者である石橋さん、木梨さんと番組以外の時間でご一緒させてもらう機会が多く、食事の場や打ち合わせで『いま、こういうのが面白いんじゃないか』と会話の中で“発想のソース(源)”みたいなものを見つける機会があるんです。そういう発想のソースをきっかけにして(総合演出の)マッコイ斉藤氏を先導として面白い企画を常に考えています」

 ――企画を考えるときは明確なタイムリミットを設けているのですか?

 「企画は何時までに絶対に決めなきゃいけないというのは基本的にありませんが、“旬の面白さ“ということを考えると、いま面白いと思ったアイデアを一気に詰めていき、熱量のあるうちに、とんねるずの2人にも相談して『これ面白いんじゃない!』ってなったものを収録する。いま面白いと思ったことを大切にしていますね」

 ――放送ギリギリまで面白さを追求しているのですね。

 「いまこの瞬間に面白がっていることを撮ってから、できる限り早く放送したい。健全な番組であれば1カ月先に放送するものをいま撮影するような間隔かもしれませんが、ウチは放送日直前まで収録していることもあります。そこから編集。悪く言えば自転車操業なんですが、いま面白がっているものを旬なうちにお届けできるようにしています。ですから、いつもバタバタしていますね(笑い)」

 ――そうして撮影や編集を経て企画を現実のものにしていく。

 「撮影してから、『あれ?違ったな…』っていう企画もありますが、反対に現場の空気だったりハプニングから生まれる、目指していたのと異なる方向だけど、コッチの方が面白いよねっていうのが見えたりすることもあります。(企画が)転がり出して面白い企画になる感じですかね。男気ジャンケンもそうだったのですが、出演者と周りの空気が企画を転がしてくれるというか。いまでも忘年会のシーズンに街中で飲み会の支払いをかけてジャンケンをしている人たちを見ると、本当にありがたいなと思います」

 ――男気じゃんけんの企画はどうやってできたのですか?

 「企画会議の時です。会議が長時間で行き詰まってしまい、お菓子とかお茶が欲しくない?ってなりまして。ここに集まっている人たちは番組を愛していて、面白い企画を考えようと会議をして、行き詰まったからリフレッシュしようとしている。だったら番組のために誰がお金を払ってもいいよね?って流れになったんです。それで『ジャンケンに勝った人が払おう』と、1回やってみたんです。そしたらジャンケンに勝った人のリアクションが何とも言えなくて面白かった。あっ、これは企画になるんじゃないかなって話になりました。会議から生まれた発想です」

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