呪怨超える!清水崇監督 TV制作陣との“戦い”経て放つ意外作

[ 2015年11月27日 09:10 ]

「世にも奇妙な物語」の映画監督編でメガホンをとった清水崇監督。右は主演の満島真之介(C)フジテレビ

 フジテレビはオムニバスドラマ「世にも奇妙な物語」放送25周年を記念し、2週連続で特別編をオンエア。視聴者人気投票で上位にランクインした作品をリメークした21日の「傑作復活編」に続き、28日には「映画監督編」を放送する。そうそうたる映画監督が参加する中、「呪怨」シリーズで一躍ホラー界の巨匠となった清水崇監督(43)が初参戦。「自分だけつまらなかったらどうしよう」とプレッシャーも感じつつ、「『呪怨』の壁を乗り越えたい」と意気込む。

 学生時代から友人たちと話題にしていたという同番組に初めて参加。「それを自分が手掛けさせてもらえるのは光栄なこと」と喜んだ一方で「25年も続いていることは凄いが、逆を言えば、さまざまなネタや概念がやり尽くされているということ」と難しさも口にした清水監督。今回担当した作品は「嘘が生まれた日」で、ウソの本音と建前について切り込んだ。とはいえ、テーストはホラーとは大きくかけ離れた青春モノ。視聴者の期待をいい意味で裏切ってくれそうだが、本人も「全く毛色の違った作品を描いた自分に驚きです。大いに意外性を感じてほしい」と笑う。

 映画監督がテレビドラマを手掛けることに注目が集まる。内容の面白さ、情報の提示の仕方…。映画とテレビではその手法が違い、撮影前には「テレビなのだから分かりやすく、手短に」と主張するプロデューザー陣との“戦い”もあったという。描写か明快さか。「映画館で見るようなテーストというわけにはいかないし、自分も勉強になった」と意向を受け入れながら「映画畑で培ってきたことをテレビでどう出せるかという部分とのせめぎ合い。“何が何でも分かりやすく”と媚びるつもりは全くなかった」とプライドを忘れることはなかった。

 主演を務めた若手俳優の満島真之介(26)との呼吸はピッタリだったようで、「僕も彼と一緒に“楽しくイタい青春”を体現することができた」と話す。満島から引き出したのは「どこかで社会や大人をバカにしつつも精いっぱい“自分を生きてやろう”としている、力みなぎる感覚」。撮影を振り返り「彼も僕も、バカな勢いに素直に寄り添いながらクタクタに疲れて楽しく作ることができた」と充実感をにじませた。

 「踊る大捜査線」の本広克行(50)、「アンフェア」の佐藤嗣麻子(51)、「永遠の0」山崎貴(51)、「リング」中田秀夫(54)。名だたる映画監督がそろい踏みし「自分だけつまらなかったらどうしよう」とプレッシャーも感じている様子だが「いまだに代表作が“呪怨”と言われ、自分でももどかしい。その壁を乗り越えたい」と言い切った。常に時代を反映してきた同番組。最後は「見た人がもう一度見たいと思っていただければ。バカでイタくて切ない、ロマンあふれる勢いだけの不思議な青春を多くの方に思い出してもえらたら最高ですし、これに触発されて“いつか自分もオリジナルのネタで“世にも…”の枠で何か作ってやろうという人が出てきてくれればいい」と力を込めた。

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