東山紀之 49歳だから見せられる闇の顔「イメージ裏切るのは楽しい」

[ 2015年11月24日 11:50 ]

 少年隊としてデビューした後、浮き沈みの激しい芸能界で30年にわたって第一線で活躍している東山紀之(49)。ダンス、芝居、殺陣…何をやらせてもビシッと決める姿が格好いい。年齢を重ね、家庭を持ったことで、表現の幅はますます広がっている。

 家庭の温かさを知り、解釈が深みを増した役もある。テレビ朝日系の人気時代劇「必殺仕事人2015」(29日後9・00)で演じる主人公の渡辺小五郎。仕事はパッとせず、家に戻れば嫁と姑(しゅうとめ)に頭の上がらないダメ亭主。しかし、それは仮の姿で、裏に回れば闇の殺し屋として暗躍するというキャラクターだ。「小五郎には子供がいない。人殺しだから遺伝子を残さないと決めているんだと思う。家庭の温かさにとらわれたら、非情な仕事はできない。そういう業を背負った役だと捉えています」

 必殺シリーズの象徴だった中村主水(もんど)役を演じた故藤田まことさんから、07年に主役の座を譲り受けて今年で9年目。藤田さんは、コミカルさとシリアスな演技のギャップで光と闇を表現。東山は端正な顔に陰を浮かべることで、二面性を際立たせる。

 「アイドルの表と裏が一番生かせる役なのかもしれない。僕らは表面的なものや、イメージ的なもので見られることが多いけど、もちろんそんな単純なものじゃない。内面をえぐり出して、視聴者をいい意味で裏切るのは凄く楽しいし、やりがいがある。表現者として面白い部分だと思います」

 最近は年1回のスペシャルドラマが恒例化。今回はジャニーズ事務所の後輩でHey!Say!JUMPの知念侑李(21)が昨年に続いて出演する。「時代劇がどんどん少なくなっていく中で10年、20年と続けていかなければいけない作品。藤田さんが僕に引き継いだように、僕は次の世代につながなければいけない。そのためには僕自身も肉体的、精神的に錆(さ)びないようにしなければ」と気持ちを新たにする。

 アイドルとしての生きざまを演技、踊り、歌に映し出していく表現者。後輩たちの“羅針盤”になる男が、これからどんな姿を見せていくのか、目が離せない。

 ▽必殺仕事人2015 女性が離縁のために駆け込む江戸幕府公認の縁切り寺を舞台にした物語。シリーズ史上最も卑劣という偽住職が敵役となる。夫婦の仕事人役で遠藤憲一(54)と山本美月(24)が出演。偽住職役は竹中直人(59)が務める。TOKIOの松岡昌宏(38)、和久井映見(44)らレギュラー陣も集結する。

 ◆東山 紀之(ひがしやま・のりゆき)1966年(昭41)9月30日、神奈川県生まれの49歳。79年、ジャニーズ事務所に所属。錦織一清、植草克秀と82年に「少年隊」を結成。85年に「仮面舞踏会」でデビュー。93年にNHK大河ドラマ「琉球の風」で主演した。86年にスタートした少年隊ミュージカル「PLAYZONE」は23年間続いた。

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