小沢一敬 5年半ぶり「IPPON」堪能 「楽はしない」笑いの信念

[ 2015年11月14日 09:00 ]

大喜利の祭典「IPPONグランプリ」に5年半ぶりに参戦するスピードワゴンの小沢一敬

 お笑いコンビ「スピードワゴン」の小沢一敬(42)が大喜利の祭典、第14回「IPPONグランプリ」(フジテレビ、14日後9・00)に5年半ぶりに参戦する。第2回大会(2010年3月)以来2回目の出場。「毎日、楽しけりゃいい」がモットーだが、決して“楽じゃない”真剣勝負の場に挑んだ。「ナルシスト」「変人」のキャラクターで人気沸騰。クセのある答えが飛び出すか、注目が集まる。

 テレビ朝日「アメトーーク!」の「自分大好き芸人」(昨年11月6日放送)「小沢という変人」(今年1月22日放送)などで、そのキャラクターが一躍、脚光を浴びた小沢。今回、5年半ぶりのオファーに「正直ウワッと思いました」と驚き。「『IPPONグランプリ』は、お笑いやっている人の根っこというか、核というか。好きなメンバーの前で変なものは見せられないというか、頑張りたいなと思ったかな。ちょっと落ち着いて考えてみたら、すごい楽しみになった」と収録に臨んだ。

 小沢が入ったAブロックはバカリズム(39)ロバート・秋山竜次(37)ネプチューン・堀内健(45)オードリー・若林正恭(37)による激戦が繰り広げられた。収録後の2日間、「IPPONグランプリ」の夢を見るほど印象的な仕事だった。

 「仕事が終わった後、その仕事の夢を見ることって、あまりない。新ネタを下ろす漫才ライブの時ぐらい。今回は珍しく夢で見たから、やってよかったなと思って。もしも、もう一度チャンスをもらえるなら、すぐにやりたい」

 「IPPONグランプリ」のコンセプトは大喜利パーティー。楽しむのが大前提だが、同時に真剣勝負の場。1998年コンビ結成の小沢も中堅芸人になり「(今年復活の)M―1グランプリ(2000年1月1日以降の結成)に出られる年数でもない。『じゃあ、おまえ、おもしろいの?』って(実力を)試される現場が少ないような気がする。楽しい現場は多いけど、自分がおもしろいかどうかを問われる現場は、そんなにない。だから、今回は『IPPONグランプリ』に出られて、よかった」。己の現在地を確かめた。

 「漫才ライブも、今回は新ネタじゃなくてもいいかって思う時もあるんだけど、それでも無理やり新ネタを作って(相方の井戸田)潤と稽古して、やるわけですよ。そうして終わると、もう、すぐ(漫才ライブを)やりたくなる。『IPPONグランプリ』もそうだもんね。(収録が)始まる15分くらい前はさ、『時間止まれ』と思うんだけど、本番中に『時間止まればいい』と思ったもん。始まる前は『始まるな』という意味の『時間止まれ』だったけど、始まっちゃえば『終わるな』になっちゃったから」。心底、大喜利を堪能した。

 コンビとして毎月、東京・下北沢の「しもきた空間リバティ」(収容120人)を本拠地にライブを行い、2年半になる。奇数月はトーク、偶数月は漫才。漫才は新作を書き下ろす。「ずっと漫才をやれる環境でいたいとは思ってる。ずっとライブはやりたいと思っているけどね」。それ以外、特に展望はない。「今、差し当たってやりたいこと…みんなでキャンプに行くぐらいしかないもん」と笑いを誘った。

 「毎日楽しく」がモットー。「とにかく毎日、楽しけりゃいいなと思って。でもね、こないだね、まじめに考えてみたの、自分のことを。なるべく楽しい仕事をやっていたいと思ってね。嫌な仕事は嫌。例えば、体を張るのとかできないし。でも、楽しいじゃなくて、楽なことをしている時はないかな」と仕事観を自問した。

 「IPPONグランプリ」からのオファーは驚きとともに重圧もあった。それでも芸人仲間からは「終わった時、気持ちいい汗は出るよ」と言われた。「それはそうだなと思ったね。楽しいって、これかもって思ったね。楽じゃないけど」。漫才ライブもそう。楽しい仕事はするが、楽はしない。飄々とした受け答えの中、笑いへのこだわりがにじんだ。

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