健さん一周忌 「駅」「鉄道員」…映画ロケ地ファン続々「きょうは近くにいたい」 

[ 2015年11月10日 10:13 ]

 俳優の故高倉健さんの一周忌を迎えた10日、高倉さんの主演映画のロケ地が多い北海道各地の関連施設をファンが降りしきる雪や雨の中、訪れた。

 「駅 STATION」(1981年公開)に登場した増毛町の「風待食堂」(現・増毛町駅前観光案内所)には10月28日から記帳台が設けられ、全国からファンが来訪。9日までの記帳者は約390人に上り、今年の営業最終日の10日は午後4時半まで受け付ける。

 「鉄道員」(99年)のロケ地だった南富良野町のJR幾寅駅では、撮影中の高倉さんが好んで食べていた芋団子と芋団子汁を地元婦人会が用意し、駅舎内の遺影の前に供え、駅を訪れたファンに振る舞われた。

 撮影当時に一緒に写真を撮ってもらったという旭川市の主婦前田知世子さん(46)は「今日は健さんの近くにいたいと思って駅に来た。当時“だめもと”で声を掛けたら写真を撮ってもらえて感激した。ファンの気持ちを大切に酌んでくれる方でした」と話した。その写真を高倉さんに送ったところ、「寒いところご苦労さまでした」との手紙が返ってきたという。

 「幸福の黄色いハンカチ」(77年)のロケ現場を復元した夕張市の観光施設「『幸福の黄色いハンカチ』想い出ひろば」は、3日までだった営業期間を15日まで延長し、訪れるファンのために献花台も設けている。

 夫婦で10年ぶりに来たという北海道歌志内市の元炭鉱作業員で無職村上輝彦さん(78)は「もう1年たったのか。やっぱり早すぎるし、惜しい人をなくした。憧れだった男らしい姿が見られないのはやっぱり寂しいなあ」と話した。

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2015年11月10日のニュース