ウエンツ瑛士“青い目の禅僧”熱演 ハーフの先人生き様に「憧れる」

[ 2015年9月12日 08:20 ]

ドキュメンタリー映画「ヘンリ・ミトワ 禅と骨」のドラマ部分で、若きヘンリ・ミトワさんを演じるウエンツ瑛士(右)。左は母親役の余貴美子

 タレントのウエンツ瑛士(29)が、ドキュメンタリー映画「ヘンリ・ミトワ 禅と骨」(監督中村高寛、来春公開予定)に出演した。10月1日から韓国で開かれる「第20回釜山国際映画祭」のワイド・アングル部門に出品される。

 “青い目の禅僧”として京都・天龍寺で半生を過ごした日系米国人、ヘンリ・ミトワさん(享年93)の生涯を追った作品。ドイツ系米国人の父、日本人の母のもと、1918年(大7)に横浜で誕生。祖国と母国のはざまで苦しみながらも、気ままに生き抜いた人生を伝える。ドキュメンタリーと再現ドラマで構成し、ウエンツはドラマにミトワさん役で主演した。

 ドラマの舞台は、太平洋戦争開戦の1年前。母や兄を日本に残し、父に会うため米国に渡る決断を下した21歳のミトワ青年を演じた。監督がウエンツを起用したのは、若かりしミトワさんのパスポート写真を見た時に「似てる」と思ったから。同じドイツ系米国人の父を持つ点も理由だ。

 ウエンツは「30歳を目前にして、自分の人生やルーツについて考えることがあった」と明かし、ハーフの先人たちが日本でどう生きたのかに興味を持っていた。出演依頼を受けたのはそんな時。ミトワさんの自伝を読み込み、撮影に臨んだ。

 ミトワさんが米国に帰国した直後、太平洋戦争が開戦。「母の国に銃は向けられない」と兵役を拒み、強制収容所で4年間を過ごした。61年に再来日。茶道の海外普及に尽力した後、73年に天龍寺の僧侶になった。晩年は童謡「赤い靴」がテーマの映画製作を目指しながら、12年に死去した。

 ウエンツは「とにかく意志の強さが凄い人。人だけじゃなく、時代を相手にして生き抜いた。尊敬でき、こうなりたいと憧れる」と話した。

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