イヤミ課長ウケてます TV番組「スカッと」に視聴者が満足のワケ

[ 2015年8月7日 11:36 ]

木下ほうか

 ほとんどのドラマが視聴率一桁を記録する中、平均視聴率14%をキープし好調なのが「花咲舞が黙ってない」だ。「花咲舞が最後にビシッと決めるセリフがスカッとします」(57歳・女性、データニュース社、テレビウォッチャー調べ)など、花咲舞に限らず、猛暑が続く中で、毎回「スカッと」させてくれる展開の番組が視聴者の一服の清涼剤になっているようだ。

 7月29日放映の第4話の満足度は4・02(5段階評価、同調べ)と、7月スタートのドラマ(プライムタイム帯)で唯一満足度4を超える高さだった。

 視聴率では苦戦しているが「花咲舞」同様、最後のスカッとする展開で満足度を上げているのが、武井咲主演のドラマ「エイジハラスメント」(テレビ朝日)。武井咲演じる主人公が、職場で横行するハラスメントに対し毎回喝を入れていくという展開が特徴で、視聴者は「すっかりはまってしまったドラマ。張り切っている女性課長の傍若無人さには腹がたったが、負けていない主人公に拍手」(53歳・女性)、「最後のスカッと感は最高」(28歳・女性)、など、どんな相手でも立ち向かっていく主人公のキャラクターに共感する視聴者が多く、視聴者満足度も初回3・6から徐々に上昇、第4話(30日放映)では高満足度の基準3・7を超え、最高の3・89を記録し盛り上がりを見せている。

 バラエティでも傾向は同じだ。スカッとするショートドラマがコンセプトの内村光良司会の「痛快TVスカッとジャパン」(フジ)が常時満足度3・8超。中でも木下ほうか(51)が演じる「イヤミ課長シリーズ」は「イヤミ課長がとっても好き」(26歳・女性)、「イヤミ課長、ブランドが確立してきた」(26歳・男性)と、タイトルを「イヤミ課長」にしたら、といいたくなるくらいの人気シリーズぶりだ。

実力のあるバイプレーヤーとして、ドラマに映画にと活躍してきた木下が、トレードマークの「肩たたきつき孫の手」とともに、ネチネチ嫌味をいうシーンがあるからこそ、最後にやり込められる「スカッと」する。女性に人気があるバラエティというのもうなずける。

 夏だから、というわけでもないだろうが、日頃のうっぷんがたまり、誰か何とかして!と大声で叫びたい人も少なくないはず。現実にはなかなかうまくいかないが、せめて映像の中だけでも「スカッと」したいという願望は強い。夏に限らず、閉塞感の強い時代にテレビでの「スカッと」は、視聴者のささやかな楽しみでもある。

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2015年8月7日のニュース