ブームから9年、なぜ今?「デスノート」ドラマ化の3つの背景

[ 2015年7月21日 09:00 ]

好スタートを切ったドラマ「デスノート」(C)日本テレビ

 日本テレビの連続ドラマ「デスノート」が好スタートを切った。初回は今年の民放連ドラ最高の滑り出しとなる視聴率16・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。第2回は12・3%で2桁をキープした。ドラマ化には原作漫画「DEATH NOTE」ファンから不安の声も上がったが、今も根強い人気があることを証明した。

 それにしてもアニメ化や映画化で一大ブームを巻き起こしてから9年。なぜ今、冒険的とも思えるドラマ化に踏み切ったのか。背景を考えてみると以下の理由に行き当たった。

 (1)勝負枠

 日テレは4月に日曜午後10時半から約1時間のドラマ枠を新設。黒崎太郎編成局次長は会見で「(新設にあたり)一大決心をした」と強調。人気番組「有吉反省会」と「ガキの使いやあらへんで!!」の放送時間を移動させて枠を設けたほど力が入っている。

 その枠の第2弾作品であり、夏休み期間中の放送。少年少女に強い訴求力のあるコンテンツを用意する必要があった。

 (2)CG技術の向上

 同作の実写化で欠かせないのがCG技術。9年前はまだ技術が発展途上で、ドラマ化は難しかった。しかし、その後の「怪物くん」「妖怪人間ベム」「地獄先生ぬ~べ~」などのドラマ化を経て技術が大幅に向上。ドラマでもリアリティーあふれる映像を再現できるようになった。

 (3)動画配信サービス「Hulu(フールー)」への提供

 Huluは有料で、映画やテレビ番組などがパソコン、スマートフォンなどで見られるサービス。同局が昨春に運営会社を買収し、今春、有料会員が100万人を突破した。一方、今秋にはフジテレビが番組提供する米動画配信大手「ネットフリックス」が日本に“上陸”。新たなビジネスチャンスをめぐっての競争激化が予想されている。

 そのHuluで人気ランキングの上位常連と言われるのがドラマとアニメ。日曜夜のドラマ枠新設も、Huluへの作品提供を見据えての対応だったとされる。そんな中、ドラマとアニメ、両方のファンをひき付けられる作品として白羽の矢が立ったのがドラマ「デスノート」だった――。

 近年、テレビ局関係者に話を聞くと、そろって口にするのがドラマの原案や原作の不足。その中、今回のドラマ「デスノート」が成功したことで、10年前後の間隔が開けば再実写化でも視聴者をひき付けることができるという見方が関係者の間で広がっている。今後、大ヒット作品の再実写化が増えてきそうだ。

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2015年7月21日のニュース