「たま駅長」銅像に…和歌山電鉄と県が建立計画 社葬に3000人

[ 2015年6月29日 06:30 ]

和歌山電鉄貴志川線の貴志駅で行われた「たま駅長」社葬で、献花台に手を合わせる親子

 和歌山電鉄貴志川線・貴志駅の“看板”として親しまれ、22日に急性心不全のため16歳で死んだメスの三毛猫「たま駅長」の社葬が28日、同駅で営まれ、ファンら約3000人が参列。電鉄と和歌山県による銅像2体の建立計画が明かされた。

 “渋谷のハチ公像”ならぬ“紀州のたま駅長像”が誕生する。電鉄によると、五十日祭翌日の8月11日に貴志駅ホームの“ねこ神社”に「たま大明神」として祭り、銅像も建てる予定。07年の駅長就任以降、愛らしい姿をひと目見ようと観光客が急増。10年前には約190万人だった乗客数が14年度に220万人を突破するなど、赤字路線を改善させた功績は大きい。葬儀委員長を務めた小嶋光信社長は弔辞で、最後の辞令とし名誉永久駅長に任命するとともに、「皆に愛され、和歌山電鉄や日本の地方鉄道を救った伝説に残る駅長」と称えた。

 一方、和歌山に人を呼び寄せた“招き猫”として、県も銅像建立に手を挙げた。小嶋社長によると、仁坂吉伸県知事から「県などが中心となって寄付を募り、銅像を建てる計画を進めていいか」との打診を受けたといい、電鉄側も協力する姿勢。場所や時期は未定だが「皆さんが会いに来やすい所に建てられたら」と、和歌山の新名所になることを期待した。

 後任の駅長については未定。駅長代行を務めたオスの三毛猫「ニタマ」が有力視されるが、小嶋社長は「まだ分からない。五十日祭が終わるまでは喪に服し、その後ゆっくり考えたい」とした。

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2015年6月29日のニュース