千葉はなさん 余命1カ月を悟った手紙公開「気持ちが晴れ、楽に」

[ 2015年4月17日 15:39 ]

「羊毛とおはな」の千葉はなさん

 今月8日に亡くなったアコースティックデュオ「羊毛とおはな」のボーカル・千葉はなさん(享年36)のお別れの会が5月14日に東京・品川教会グローリアチャペルで営まれることが決まった。17日、公式サイトで発表された。また、千葉さんが生前、死の約3週間前に書いた手紙が公開された。

 「ファンの皆様へ」と題された手紙は以下の通り。

 こんな形で報告ということになり、驚かせてしまい申し訳ありません。私、千葉はなは2012年7月に乳がんが発覚し、手術いたしました。化学療法の治療はしなかったので、すぐに復帰することが出来、仕事に戻ることが出来ました。ですが、その1年後の2013年9月に同じ場所からの再発が発覚しました。それはちょうど10周年コンサートの1カ月くらい前で、ライブを中止にするか迷いましたが、今度は東洋医学の方で治療しようと決意し、ライブとの両立が可能だったので、10周年ライブを無事終えることが出来ました。

 その後、食事療法や漢方などを徹底して行いましたが、徐々に体力も落ちていき、2014年6月、再手術を決意しました。手術後は実家に戻り、家で療養しておりましたが、病状は悪化してゆきました。2014年11月に地元の病院に行きましたところ、他に治す治療はないと言われ、クオリティー・オブ・ライフ(QOL)を上げる治療に入り、12月ごろには歩くのもままならなくなりました。

 2015年に入ってからは酸素マスクが欠かせなくなり、車いすに乗り、だんだんと外出することもできなくなって、食事もとれなくなりました。今の時点で私は余命1カ月を切っていると自覚しています。

 そんな中、東京から相方の羊毛くん、マネージャーでもあり大親友でもある小山奈々子さん(所属事務所代表)、友人や地元の仲間であるグラーバたちも来てくれ、心が晴れやかになりました。

 実は病気のことはほとんどの人に話していません。なので寝耳に水だった方も多いかもしれません。本当は治癒するつもりでした。そして、その経験を本に書いて同じような病気を背負っている方たちを励ますことができたらとずっと考えていました。ですが、悲しい本は書きたくないので出すのを断念します。

 人はおもしろいものです。自分が死んでゆくのを悟れるものだと分かりました。その悟りをした後は気持ちが晴れ、すごく楽になりました。私はもともと人が死ぬことを悲しいという風に思っていませんでした。むしろ卒業というような喜ばしいことだとどこかで感じて生きていました。なので、それもあり、全然死に対しての恐怖もなく、つらさもなかったです。周りで支えてくださった方には寂しい気持ちにさせてしまったかもしれません。ですが、私は今とてもワクワクしています。皆さんとひとつになれるような気がするからです。私の身体はなくなっても、私は存在します。だから悲しまないでください。

 そして「羊毛とおはな」の曲はもちろん、羊毛さんの新しい活動「THE BOCOS」の曲も聴いてくださるとうれしいです。これまでたくさん「羊毛とおはな」を聴いてくださった皆様、応援してくださった皆様、ライブに来てくださった皆様、本当にありがとうございました。ライブは出来ませんが、またお会いできると信じています。

2015年3月21日
千葉はな

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