浅草に新・鼠小僧!「野田版」勘三郎さんそっくり 勘九郎も太鼓判

[ 2015年4月11日 05:30 ]

浅草公会堂前に姿を現した「勘三郎の鼠小僧」像

 歌舞伎俳優の中村勘九郎(33)と中村七之助(31)が10日、中村屋ゆかりの東京・浅草で「平成中村座発祥の地記念碑」と「鼠(ねずみ)小僧」像の除幕式に出席した。父の故中村勘三郎さん(享年57)の功績を称えるため、有志らの募金によって建立。いたずら好きだった勘三郎さんの式典らしく、珍事連発だった。

 隅田公園内では「平成中村座発祥の地記念碑」がお披露目。勘三郎さんが00年に江戸歌舞伎の芝居小屋を再現した「平成中村座」の跡地に、勘三郎さんの身長と同じ高さ1メートル67の碑が建てられた。勘九郎はあいさつで「(勘三郎さんの)葬儀で、皆さんがここでおみこしを担いでくれたことが本当に忘れられない」と感極まって目を潤ませた。その後の鏡抜きでは、小づちの勢いで酒がしぶきをあげ、服がびっしょり濡れる人もいて笑いが起きた。

 浅草公会堂向かいにある呉服店の屋根にたたずんでいた「鼠小僧」像も一新。劇作家の野田秀樹氏(59)が手掛けた「野田版 鼠小僧」に主演した勘三郎さんそっくりに生まれ変わった。除幕には勘九郎、七之助とともに、一般人に紛れて来場していた野田氏も飛び入り参加。沿道からの「中村屋!」の掛け声で幕が引っ張られたものの、途中で像の腕に引っかかり、スタッフをあわてさせた。勘九郎は「似ていないだろうと思っていたら、そっくりだった」と大喜び。「鼠小僧」の勘三郎さんのせりふで「おまえのやっていることは必ず誰かが見ている」という言葉を心の支えにしていることを明かした。

 石碑と像は、地元有志らの呼びかけで1195人から約1130万円の寄付が集まり、建立された。

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