NHK「クロ現」中間報告 やらせは証言に食い違い

[ 2015年4月9日 11:37 ]

 NHKの報道番組「クローズアップ現代」でやらせがあったと指摘されている問題で、NHKの調査委員会は9日、中間報告を発表した。番組でビルの一室を、詐欺の「活動拠点」としたことについて「誤りで、裏付けが不十分であった」と認定、番組構成も「演出が過剰ではなかったかという観点から検証を進める必要がある」とした。

 一方で、取材に当たった記者は「演技の依頼はしていない」と証言、取材対象者の証言と食い違いが多いため、引き続き調査を進めるとした。

 やらせが指摘されたのは、昨年5月14日に放送された「追跡“出家詐欺”~狙われる宗教法人~」。番組内で詐欺に関わるブローカーとして匿名で紹介された男性が、記者に頼まれて「架空の人物を演じた」と証言する内容などを週刊文春(3月26日号)が掲載した。

 中間報告は、男性が相談を受けたビルの一室を「活動拠点」とした点を「誤り」とし「記者の関与は認められないが、裏付けが不十分」とした。

 また、多重債務者とされる人物は記者と面識があったのに、その場で相談に訪れたような構成になっており「視聴者は、実際とは異なる取材過程を印象づけられた」と指摘した。

 男性が記者から「ブローカー役を演じるよう依頼された」と話していることに対しては、記者は撮影の事前説明はしたが、演技の依頼は一貫して否定しているという。

 委員会は引き続き調査を進め、宮川勝之弁護士ら3人の外部委員のチェックを受けた上で「見解」を公表し、やらせがあったかどうか判断する。

続きを表示

2015年4月9日のニュース