NHK籾井会長 「クロ現」やらせ疑惑報道に「先入観持たず調査」

[ 2015年4月2日 16:12 ]

 NHKの籾井勝人会長は2日、東京・渋谷の同局で定例会見を行い、報道番組「クローズアップ現代」でやらせがあったと指摘されている問題について言及した。「こういうことが報道されること自体、残念だと思っている。真相については鋭意、調査をしている。我々としては先入観を持たずに調査をしたいと思っている」とコメント。処分などは「仮定の質問に答えるのは適切ではない」とした。

 問題は、昨年5月14日に放送した同番組の「追跡“出家詐欺”~狙われる宗教法人~」について、先月発売の一部週刊誌が番組内で詐欺に関わるブローカーとして匿名で紹介された人物が、記者に頼まれ「架空の人物を演じた」と証言する内容などを掲載したことで表面化。1日には番組にブローカーとして出演した男性が実際はブローカーではなく、NHK記者からの演技指導を受け、出演したことを会見で告白。NHKに訂正報道を求める「申し入れ書」を手渡し、7日以内の回答を求めたことを明らかにした。

 籾井は同日午前の参院予算委員会でも「調査委員会を立ち上げて徹底的に調査する。第三者にチェックしてもらうことを考えている。(証言に)かなり食い違いがあると聞いている。先入観を持たずにさらに調査を進め、来週には途中段階であっても何らかの形で報告したい」と話している。

 問題を担当する当の森永公紀理事によると、申し立てをした男性への聞き取り調査は1日に初めて行われたという。「男性とNHK関係者や外部の関係者で話に食い違いがあるという指摘がある。食い違う部分が多いので、慎重に判断している。やらせがあったのか、先入観を持たずに調査を進めている。自ら調査して事実認定するのは放送事業者としての義務。そのうえで、第三者にも入っていただいて、判断いただく。調査委員会は遅くとも今週中には立ち上げる」と現状を報告。来週中に何らかの発表を行うといい、「来週わかったところまでです。途中経過になる可能性もある」とした。

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2015年4月2日のニュース