落語家の桂米朝さん死去 人間国宝 89歳

[ 2015年3月19日 22:40 ]

死去した桂米朝さん

 上方落語の大御所で人間国宝、文化勲章受章者の桂米朝(かつら・べいちょう、本名・中川清=なかがわ・きよし)さんが19日午後7時41分、肺炎のため死去した。89歳だった。旧満州大連市生まれ。

 通夜は24日午後6時から大阪府吹田市の公益社 千里会館 大斎場「まほろば」で。米朝事務所と中川家の合同葬は、25日午前11時から同所。喪主は長男の桂米團治さん。

 旧制姫路中学(現、兵庫県立姫路西高校)卒業後、現在の大東文化大入学。その後、1944年に軍隊に入ったが、病気のまま終戦。終戦後は会社員となり、落語愛好家として楽しんでいたが、47年に四代目桂米団治に入門、三代目桂米朝を名乗った。演じられなくなっていた上方落語の古典演目を発掘し、現代向けに構成。故六代目笑福亭松鶴さんらとともに「四天王」と呼ばれ、衰退していた上方落語を再興させた。

 端正で明快な語り口で、「たちぎれ線香」「百年目」などを得意とした。門下に、故・枝雀さん、ざこば、南光ら約70人(故人を含む)。五代目米團治は長男。96年に人間国宝。2009年には落語家初の文化勲章を受けた。

 最後の舞台出演は13年1月2日に大阪市内で開かれた「米朝一門会」。同年8月に肺炎で一時、入院した後、唯一レギュラー出演していたラジオ番組も終了した。

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2015年3月19日のニュース