天国に一番近いアイドル!?沖縄離島で結成「KBG84」に熱視線

[ 2015年2月28日 09:30 ]

“天国”に一番近いアイドル「小浜島ばあちゃん合唱団」。最前列中央でつえをついている“センター”は91歳の目仲トミさん

 史上最高齢のダンス&ボーカルグループが結成された。沖縄の離島小浜(こはま)島で暮らす80代以上のおばあちゃんたちによる「小浜島ばあちゃん合唱団」が、初のオリジナル曲を制作し音楽活動をしていく。情報を聞きつけた複数の大手レコード会社がスタッフを現地へ飛ばすなど音楽関係者が視察を開始。平均年齢84歳の“天国に一番近いアイドル”として熱い視線が注がれ始めている。

 入団資格は80歳以上の女性であること。70代以下は研究生扱い。生涯現役のばあちゃんグループが、沖縄本島から400キロ離れた人口500人ほどの小さな島を拠点に音楽活動をしていく。平均年齢は84歳で約40人(研究生含む)が在籍。現代風にいえばまさに“KBG(小浜島・ばあちゃん・合唱団)84”だ。初の楽曲のタイトルは「Come and Dance 小浜島」。打ち込みのダンスナンバーで、ばあちゃんたちはカセットテープを聞き込み、テンポの速さを克服した。

 27日に島の集会場を使ってレコーディング。“センター”の目仲トミさん(91)やリーダーの花城キミさん(90)ら約30人が参加した。録音の最中は80歳以上は座ることが許され、70代は立ちっぱなし。目仲さんは「生まれて初めて耳あて(ヘッドホン)をつけて感動した。何もかもが初めての経験でとにかくうれしくて楽しかったさあ」と余韻に浸っていた。

 ダンスも見せ場。沖縄の踊り「カチャーシー」から両手を頭上に上げて左右に揺らすしぐさや、日課の体操を取り入れた。きょう28日に行う島でのミュージックビデオ撮影では、目仲さんらも立ってダンスする予定だ。

 “KBG84”はもともと民謡などを歌う合唱団。夫を亡くしたばあちゃんたちが数十年も前の初恋トークを始めたことがきっかけで輪が広がり、97年に誕生した。島の敬老文化で「80歳になって初めて一人前」という慣習があることから、80歳以上を正規メンバーとして迎えている。

 グループの指導役で曲の監修を務めたシンガー・ソングライターつちだきくお(57)も一緒に歌っており、曲は「つちだきくお&小浜島ばあちゃん合唱団」名義で発表される。つちだは「ばあちゃんたちに新しい挑戦をさせてあげたかった。いまでは園児のように目が生き生きしている」とコメント。現地を視察したイベント関係者は「国が地方創生に力を入れる中、地方発というのが時代の流れにマッチしている」と話した。

 6月13日に東京・品川プリンスホテルのクラブeXで初コンサートが開催される。

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2015年2月28日のニュース