田中圭デビュー15周年 ドラマ3本出演中、過去最高は同時進行7作

[ 2015年1月27日 11:06 ]

同時進行で最多7作を演じたこともある田中圭。どんな作品にも溶け込むナチュラルさが魅力だ

 俳優の田中圭(30)がデビュー15周年を迎えた。1月スタートのドラマは3作に出演し、10月公開の映画「図書館戦争 THE LAST MISSION」を撮影中。9月には舞台「夜への長い旅路」(同7~23日、東京・シアタートラム)を控える。“オレ色”を押し出す同世代の俳優が多い中、何色にも染まり、どんな作品にも溶け込むナチュラルさが魅力。さまざまな役を演じ分ける田中の素顔は――。

 インタビュー中、突然テーブルに顔を突っ伏した。目指す俳優像を聞いた時だ。悩んだ末、10秒後に顔を上げ、言葉を選びながら語る。

 「いっぱいあります。一つは“こういう田中圭を見たい”と思わせる俳優に最終的になりたい。自分自身もいろんな役に出合いたいし、田中圭のいろんな役を見てみたいと思われたい。それが夢だし目標」

 自然体で気負いがなく、真摯(しんし)に言葉を探す。一方で、記者が適当な相づちを打ち別の質問に移ると「スルーしましたね」といたずらっぽく笑いながら突っ込みを入れる。初対面でも壁をつくらず、いろいろな表情を見せてくれる。

 放送中のドラマは3本。フジテレビ「残念な夫。」(水曜後10・00)ではヒロインと久々に再会する爽やかな元カレを演じる。NHKBSプレミアム「徒歩7分」(火曜後11・15)では主人公につきまとう根暗な男性役。tvk(テレビ神奈川)の「びったれ!!!」(水曜後11・00)は主演で、お人よしのシングルファーザーで切れ者の司法書士だが、元ヤクザの裏の顔で悪を成敗するという3変化を熱演している。

 同時期に複数の作品で役を演じ分ける。それでも「何作か重なっているほうが、その分台本をちゃんと読んだり切り替えをする。自分に言い訳ができないので」と前向き。「キャラクターの思いや感情を伝えられるのはそいつの人生を代わりに生きてあげる自分しかいないから、台本を読んでどれだけ役と会話できるか。役に対して“オレ色に染めてやるぜ”というよりは“OK、オレ頑張るよ”って思うんです」と語る。

 これまでの最多同時進行は7作。「マネジャーが付かず現場に1人で行っていたので、リュックに台本が13冊入っていて重かった。他の俳優でも7作同時というのは聞かないし、いい経験でした」と振り返る。駆け出しの頃の話ではなく「4年くらい前のこと」だという。

 ここ数年で着実にステップアップし、昨年はNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で石田三成を演じ注目された。「やれることは増えたと思う」と手応えを感じる一方、「こういう役をやってみたいと思ってもその役がくるわけではない。ちゃんとやっていれば次の階段はきっとあるという感覚でやってきたので、コツコツやっていくしかない」と堅実だ。「あとはマネジャーの腕の見せどころ。仕事選びはマネジャーの仕事ですからね」と同席したマネジャーに目をやりニヤリ。冗談めかして場を盛り上げる気遣いの人でもある。

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