【TVプレビュー】「デート」傑作誕生?古沢良太氏が新恋愛提示

[ 2015年1月19日 10:30 ]

月9「デート」第1話の場面写真(左から杏、長谷川博己)

 「月9」1年ぶりの恋愛ドラマとなるフジテレビ「デート~恋とはどんなものかしら~」(月曜後9・00)は19日、15分拡大でスタートする。

 ドラマ「リーガルハイ」「相棒」、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」「探偵はBARにいる」、舞台「キサラギ」「趣味の部屋」など縦横無尽に活躍する脚本家・古沢(こさわ)良太氏(41)が恋愛ドラマに初挑戦。新しい恋愛のカタチを提示する。

 ともに「月9」初出演の杏(28)長谷川博己(37)が機関銃のようなセリフの応酬を見事にこなし、古沢脚本を体現。「恋愛不適合者による恋愛」という込み入ったテーマだが、自然と引き込まれる。笑いも随所に散りばめられ、初回の出来栄えに傑作誕生を予感した。

 杏が演じるのは、国家公務員として内閣府の研究所に勤務する藪下依子。東大大学院卒業の29歳。超合理主義者で、徹底的に効率を重視する。

 長谷川が演じるのは「高等遊民」を自称するが、実際はニートと変わらない日々を送る谷口巧。35歳。自宅にこもり、文学、映画、芸術の世界に浸っている。

 ドラマは横浜・山下公園、デートの待ち合わせをする2人から始まる。「12時くらいとは、12時00分と考えてよろしいでしょうか?」。いきなり依子の理詰めが次々に炸裂し、巧は防戦一方。かみ合わなさ具合、好対照ぶりが笑いを誘う。どうして2人はデートをすることになったのか。時は6カ月前にさかのぼる。鮮やかすぎるつかみだ。

 依子の食事へのこだわり、巧が好きな作家や映画などディテールが綿密に描かれ、杏と長谷川の好演も相まってキャラクターの人となりを肌で感じられる。依子の父に松重豊(51)亡くなった母に和久井映見(44)。依子の父が娘に紹介する青年に「Hey!Say!JUMP」の中島裕翔(21)。巧の幼なじみに松尾諭(39)その妹に国仲涼子(35)。巧の母に風吹ジュン(62)。依子と巧を取り囲む人物もバランスよく登場。説明ぽくならず、ストーリー展開の中で相関関係も分かる。

 インパクト大でキュートな杏の決め顔も第1話の見どころ。物語がオチの笑いに向かう展開、第2話への期待感を高めるラスト。連続ドラマの導入としては非の打ちどころがない。唯一の心配は、このハイペースが続くかどうか。古沢氏の筆に期待したい。

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2015年1月19日のニュース