健さん、頑張るから見てて…手紙で交流 被災14歳少年誓った

[ 2014年11月26日 05:30 ]

高倉健さんからの手紙を前に話す松本魁翔君

 東日本大震災で被災し、俳優高倉健さん(享年83)と手紙のやりとりなどで交流していた少年が「頑張るから見てて」と、前向きに生きていくことを天国の健さんにあらためて誓った。少年は宮城県気仙沼市の中学2年松本魁翔(かいと)君(14)。震災直後に、がれきの中、口を引き結んで水を運ぶ姿が新聞各紙で報じられ、この写真を健さんは台本に貼り付けていた。そのことを人づてに聞いた少年が手紙を出し、交流がスタート。励ましの手紙を受け取った。

 津波で流された船で自宅が壊され、母、姉、妹と今も仮設住宅で暮らす。写真は当時10歳。初めて手紙を出し、返事が届いたのは中学校入学直前の昨年4月初め。「常に被災地を忘れないことを心に刻もうと(映画の)撮影にのぞんでいました」「遠くからですが貴方の成長を見守っています」と温かい言葉が並び「人生で一度しか味わえない子供時代の日常生活を平穏に過ごしてほしい」とも記していた。健さんは自分とのことがマスコミに取り上げられて騒がれると魁翔君のためにならないと考えていたようだという。魁翔君は公にしないことを「男と男の約束だ」と捉え、手紙のことはずっと秘密にしていたが「自分のようにこの手紙で勇気づけられる人もいるかもしれない」と公開した。

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