官兵衛が暴れん坊に…岡田准一、ラスト4話で20%超え狙う

[ 2014年11月23日 10:30 ]

 V6の岡田准一(34)が主演するNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」がクライマックスに突入した。23日の放送分を含めて残り4話。物語は関ケ原の戦いまでの戦国最後の動乱期に入り、主人公の黒田官兵衛が天下取りを狙いにいく姿が描かれる。収録はすでに最終話まで終了。大役を演じ切った岡田に、最後の見どころと作品に懸けた思いを聞いた。

 一つの役柄を1年もの長丁場で演じたのは初めて。9月末のクランクアップから約2カ月がたち、岡田は「役作りで生やしていたヒゲを落とした時、いつも近くに感じていた官兵衛が急にいなくなった気がしました。役柄が抜けたんでしょうね。寂しさと、やり切った喜びが入り交じった不思議な感覚でした」と感慨に浸った。

 一方で「果たせていない思いもある」と明かす。それは「一度は視聴率20%を超える」こと。本能寺の変の直後、毛利側との交渉で官兵衛が暗躍する姿を描いた第29話で作品最高の19・4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録したが、20%台に乗ったことはない。「大河の復活を懸けて主演として臨ませてもらった。その責任を果たすためにも、終わるまでに何とか20%を超えたい」と思いを語る。

 チャンスは残り4話。前半は明るく動き回る「さわやか軍師」、中盤以降は影のある「ブラック軍師」の顔を見せることで、成長を表現してきた“岡田官兵衛”。クライマックスは欲望をむき出しにした「暴れん坊軍師」に変身して、お茶の間へのアピールを狙う。

 これから描かれるのは晩年の4年間。息子に家督を譲った後だが、実は「官兵衛がもっとも戦国武将らしい姿を見せる時期」。豊臣秀吉の死後、関ケ原の戦いまでの混乱に乗じて、天下取りに名乗りを上げることを決意し、本拠地の九州で合戦に次ぐ合戦を繰り広げていく。

 「主君がいた時は理不尽と思いながらも、その指示に従わざるを得なかった官兵衛が、人生で初めて自分の欲望をむき出しにして周囲を振り回す。策略家のイメージから一変して、手を付けられないような暴れん坊になります」

 戦場には馬ではなく、「レン」と呼ばれる神輿(みこし)のような乗り物に担がれて登場。そこに立ち上がって猛々(たけだけ)しく采配を振る。食事シーンでは両手でつかんだおにぎりを交互にむさぼり、その場に訪れた交渉相手をどう喝するようにツバを吐く。レンを使うのも、ツバを吐くのも、荒々しさを出すために自身のアイデアから生まれた演出。「1年かけてスタッフとの間に、脚本や演出について一緒に考える関係性をつくることができたのが良かった。老いても野望を捨てなかった官兵衛の生命力を見てほしい」と訴える。

 30代前半で挑んだ大河主演。「天下分け目の戦い」と言われる関ケ原の戦いになぞらえて、「人生分け目の仕事だった」と位置づける。「この年齢でこれほど大きな企画の顔を任せてもらえるのは一社会人として光栄なこと。幅広い世代の方から“頑張ってるね”と言ってもらえるようになったし、ちょっとずつ努力してきたことが本格的になってきたと実感できた」と収穫を語る。

 そして結果にもこだわる。「視聴率を取ったら(共演者やスタッフ)みんなが喜ぶ。一人の男としてみんなを笑顔にしたい」からだ。家族や家臣を守るために戦い続けた官兵衛を地でいく熱い心意気。大仕事をやり遂げた岡田が今後、男として、俳優として、どう成長していくのか楽しみだ。

 ◆岡田 准一(おかだ・じゅんいち)1980年(昭55)11月18日、大阪府生まれ。日本テレビ「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」内の「ジャニーズ予備校」のコーナーで注目され、95年にV6のメンバーとしてデビュー。TBSドラマ「木更津キャッツアイ」、映画「永遠の0」などの大ヒット作に出演。

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