健さんと同い年 山田洋次監督が忘れられない「ああ、良かったと思った日」

[ 2014年11月18日 18:31 ]

高倉健さんとの思い出を語った山田洋次監督

 高倉さんが主演した「幸せの黄色いハンカチ」、「遥かなる山の呼び声」の山田洋次監督(83)は18日、悲報を受け都内のスタジオで会見。「次の作品を準備している、という話を聞いていたので、ああ、元気にしているんだな」と思っていました。健さんが元気でいてくれることが、どれだけ僕の励みになっていたことか」と、同い年の名優の死を悼んだ。

「幸福の黄色いハンカチ」の主演をオファーした時が初対面。「健さんが、赤坂の僕が仕事をしている宿に来てくれて、“私はいつ体を空ければいいんですか”と即答してくださいました。 そして、“僕は、とても今日は、うれしいですよ”と言って、スーッと足早に出ていかれた。それを見て、ああ、良かったと思った日を忘れることができません。極めて繊細で、人の気持ちをよく分かる、本当に行き届いた方でした」と思い出を語った。

 同作には「男はつらいよ」シリーズの故渥美清さんも出演しており、「2人が久しぶりに出会うシーンがあるのですが、あの時の情景が今、僕の胸に浮かんでいます」としんみり。そして、「長い映画人生を歩んできたけれども、僕にとって渥美清さんと高倉健さんは、間違いなく、巡り会うことのできた2人の偉大な俳優でした。今頃、2人が巡り会って、話でもしているのかなと思います」と思いをはせた。

 また、高倉さんの古巣で、「網走番外地」シリーズなど数多くの主演映画を製作・配給した東映の岡田裕介会長は、「映画界として、そして私個人としての支柱を失いました。映画も私も、終わりかもしれません。残念というよりも、一番恐ろしい日がきた、という思いです」と追悼のコメントを寄せた。

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