日本武道館開館50周年 最多公演は永ちゃん「音の進化も歴史」

[ 2014年10月4日 05:30 ]

1977年8月26日、初の武道館コンサートで熱唱する矢沢永吉

 武道と音楽の聖地として知られる日本武道館が3日、開館50周年を迎えた。この日は興行イベントはなく、大手専門学校グループの首都圏各校の生徒による、スポーツフェスティバルが行われた。

 1964年、聖橋(東京都千代田区)や万代橋(新潟市)を手掛けた山田守氏の設計で完成。こけら落としの催事を東京五輪の柔道競技とし、日本の伝統武道の普及奨励を主な目的にスタートした。ボクシングやプロレスの試合も行われ「猪木VSアリの異種格闘技戦」(76年)など、数々の名勝負の舞台となった。

 一方で武道以外のイベントも年間200日以上開催。ビートルズ来日公演(66年)を初の音楽イベントとして開催すると、クイーンやイーグルス、ザ・ローリング・ストーンズら大物外国人が次々に演奏。「ブドーカン」の名は世界に広まった。日本人歌手の憧れの地となり、ザ・タイガース解散公演(71年)や山口百恵の引退公演(80年)など、音楽史に残る名場面が多く生まれている。

 77年から通算127回の最多公演記録を持つ矢沢永吉(65)によると「昔は音が悪いとも言われたが、今はめちゃ音がいい」という。音響機器の発展とともに、エンジニアの努力を強調。「丸いドームで、どうしたら一番クリアな音が出るかと研究したから。こうして進化したのも武道館の歴史」と感慨深げにコメントした。

 同所が2020年の東京五輪で、再び柔道などの競技会場となるかは未定。施設の老朽化とともに、周辺に出場選手のための練習場が不足していることなどが指摘されている。

 5日には、開館50周年を記念した「日本武道祭」が開かれ、柔道や剣道など現代武道9種目と古武道3流派の演武が行われる。

 ▽日本武道館 東京・北の丸公園にある屋内競技場、多目的ホール。法隆寺夢殿を模した正八角形3階建てで、鉄筋コンクリート製。高さ42メートル。収容人員は最大1万4471人。いかなるイベントでも、大道場(アリーナ)の天井に12メートル×8メートルの日章旗の掲揚が義務づけられている。小規模な柔道場と剣道場もある。延べ18万人以上を投入した大工事により、着工から11カ月の短期間で完成。

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